臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
いろいろ間違ってます。
*****
どうしてこうなっているんだろう。
たくさんレースを使った清楚な白いワンピースと夏らしい白いサンダルを履いて、ぼんやりとどこか満足そうな表情の社長を眺める。
ああ……社長はいつ見ても私好みの顔だなぁ。
今は無言で私を見つめている、切れ長で涼しげな眼。すっと通った鼻筋は高い。
まるで神様が美形を作ろうと考えて作られたような眉目秀麗な顔。
今はどこか気だるげな仕草で、高そうな一人掛けのソファに長い脚を組んで座っている。
立ち上がると私より頭二つ分くらい高い。私が165センチだから、たぶん20センチくらいは高い身長。
社長の隣にはフィッティングを手伝ってくれていた女性店員が立っていて、彼はちらっと彼女を見る。
「どう思う?」
「よくお似合いかと存じます。ただ、着物をモチーフにしたドレスも捨てがたいですわ」
「まぁ、純日本顔だからな。着物は似合うだろう。だが、アレは少し……」
言葉を濁した社長に女性は微かに笑い声をあげた。
「ではこちらになさいますか?」
「いや……両方貰おう。後はそうだな。オフィスでもおかしくないものを」
言いかけた彼に恐れおののいて、さすがに口を開いた。
「ちょっと待ってください! 私はそんな事されるような立場じゃないですから!」
私の叫びにふたりは振り返る。
その様子は“何かあった?”と聞いてきているようだった。
大ありに決まってるでしょうが、あなたたち‼
私の睨みに社長はニヤニヤしているだけだし、女性の方は目を丸くしているだけ。
本当に、どうしてこうなったんだろう。
私は一週間前の事を思い出していた。
どうしてこうなっているんだろう。
たくさんレースを使った清楚な白いワンピースと夏らしい白いサンダルを履いて、ぼんやりとどこか満足そうな表情の社長を眺める。
ああ……社長はいつ見ても私好みの顔だなぁ。
今は無言で私を見つめている、切れ長で涼しげな眼。すっと通った鼻筋は高い。
まるで神様が美形を作ろうと考えて作られたような眉目秀麗な顔。
今はどこか気だるげな仕草で、高そうな一人掛けのソファに長い脚を組んで座っている。
立ち上がると私より頭二つ分くらい高い。私が165センチだから、たぶん20センチくらいは高い身長。
社長の隣にはフィッティングを手伝ってくれていた女性店員が立っていて、彼はちらっと彼女を見る。
「どう思う?」
「よくお似合いかと存じます。ただ、着物をモチーフにしたドレスも捨てがたいですわ」
「まぁ、純日本顔だからな。着物は似合うだろう。だが、アレは少し……」
言葉を濁した社長に女性は微かに笑い声をあげた。
「ではこちらになさいますか?」
「いや……両方貰おう。後はそうだな。オフィスでもおかしくないものを」
言いかけた彼に恐れおののいて、さすがに口を開いた。
「ちょっと待ってください! 私はそんな事されるような立場じゃないですから!」
私の叫びにふたりは振り返る。
その様子は“何かあった?”と聞いてきているようだった。
大ありに決まってるでしょうが、あなたたち‼
私の睨みに社長はニヤニヤしているだけだし、女性の方は目を丸くしているだけ。
本当に、どうしてこうなったんだろう。
私は一週間前の事を思い出していた。
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