臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
***
「社長。ですからそこは取引先なんですから我慢なさって……」
「俺は何もわがままを言っているつもりはない! あそこの社長はやたらとベタベタ触ってくるから会いたくない。出来るだけお前が間に入れと言っている!」
「それなら最初から副社長にお願いすれば良いじゃないですか。あの方、すぐに対面希望されますし、なかなかお断りも出来ないんですから」
「それじゃ通らないから言っているだろうが!」
エレベーターホールから続いた口論は、秘書課の前を通る際にも続いている。
最初は呆然と見送るだけの秘書課の面子も、これが毎朝の事になると一週間も経つ頃には慣れたみたいで、口論を続ける私たちを眺めるだけになった。
そして一週間して気づいたことと言えば、私がたまにぺろっと毒舌を吐いたとしても、何故か社長はそれに対しては怒らないと言う事だ。
副社長室の前を通り過ぎ、社長室に近づいた頃、冷たい視線で社長を見た。
「これも仕事です。子供みたいなことを言っていないで、こなしてください」
静かに呟くと、社長はぐっと言葉を飲み込んで忌々しそうな顔をする。
「絶対に狭い料亭は会食場所に選ぶな」
それだけ言うと、荒々しくドアを開けて社長室に入って行った。
やっと了承してくれたみたいだ。ホッと息をついて、スケジュール帳を閉じる。
なんだろうなー。社長の下についてつくづく思うけど、なかなかワンマンで、なかなかわがままだ。
考えていたら、ガラス張りの入口から軽くノックの音がした。
「社長。ですからそこは取引先なんですから我慢なさって……」
「俺は何もわがままを言っているつもりはない! あそこの社長はやたらとベタベタ触ってくるから会いたくない。出来るだけお前が間に入れと言っている!」
「それなら最初から副社長にお願いすれば良いじゃないですか。あの方、すぐに対面希望されますし、なかなかお断りも出来ないんですから」
「それじゃ通らないから言っているだろうが!」
エレベーターホールから続いた口論は、秘書課の前を通る際にも続いている。
最初は呆然と見送るだけの秘書課の面子も、これが毎朝の事になると一週間も経つ頃には慣れたみたいで、口論を続ける私たちを眺めるだけになった。
そして一週間して気づいたことと言えば、私がたまにぺろっと毒舌を吐いたとしても、何故か社長はそれに対しては怒らないと言う事だ。
副社長室の前を通り過ぎ、社長室に近づいた頃、冷たい視線で社長を見た。
「これも仕事です。子供みたいなことを言っていないで、こなしてください」
静かに呟くと、社長はぐっと言葉を飲み込んで忌々しそうな顔をする。
「絶対に狭い料亭は会食場所に選ぶな」
それだけ言うと、荒々しくドアを開けて社長室に入って行った。
やっと了承してくれたみたいだ。ホッと息をついて、スケジュール帳を閉じる。
なんだろうなー。社長の下についてつくづく思うけど、なかなかワンマンで、なかなかわがままだ。
考えていたら、ガラス張りの入口から軽くノックの音がした。