臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
さて……と。いつもの社長なら、もう少ししたらコーヒー頼んで来る頃合いだよね。

どうせなら一緒に淹れてしまおう。

そう思って来客用のカップと他に、社長専用のカップを用意して、コーヒーが出来上がると副社長にお出しする。

「自慢されるほどのものではありませんが」

「ありがとう」

微笑んでいる副社長に微笑み返した時に、ガチャリと社長室のドアが開いた。

「……話声がすると思えば」

副社長の姿を認めて社長がうんざりとした顔を見せる。

「副社長。今日は忙しいのでは?」

「朝のコーヒーくらい楽しませてほしいものです。一杯くらいはいいでしょう?」

社長は溜め息をついて、副社長の前のソファーに座った。

「小娘。俺にもコーヒー」

「……かしこまりました」

いつからここは喫茶室と化したのだろう。まぁ、もう一杯入れていたからいいんだけど。

すぐに社長用のコーヒーを出すと、眉を上げられる。

「早いな?」

「そろそろ社長もお飲みになる頃だと思いましたので」

言外に一緒に淹れていたと告げると、社長は納得してコーヒーを飲んだ。

そして、その様子を見ながら社長と副社長を見る。

「あの……席を外していた方がいいでしょうか?」

「ああ。それはいい。仕事の話なら、こんなところにいないで俺に声をかけただろうから」

社長の言葉に副社長も頷いた。
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