臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「社長はいるかい。西澤さん」
ガラスをコンコン叩く音と同時に、微笑みを浮かべた副社長が見えた。
「はい。いらっしゃいます」
そう言えば、社長の態度に頭の中からすっぽ抜けていたけど、金曜の夜に副社長の息子さんから大変そうなファイルを渡されてたよね。
……その件かな?
一応、内線電話で副社長の来訪を告げると、声だけは平常心で『入ってもらってくれ』と言うお返事を頂いた。
立ち上がり、執務室をノックしたら小さく返事が返ってきたからドアを開く。
「何だね君たち。朝もそうだが、喧嘩でもしてるのかい?」
副社長の言葉に私は眉を上げ、社長は書類から顔を上げて不機嫌そうな顔をしたけれど、一瞬でその気配を消す。
朝は珍しく口論すせずに社長室に来たはずだけど……。
「副社長。あなたはそんな話をしに来たわけではないでしょう。……コーヒーを頼む」
最後の方は私に向かって言ったので、静かに頭を下げた。
「かしこまりました」
入っていく副社長を見送り、給湯室に向かいながら……出涸らしでも淹れてやろうかな。
一瞬、そんな黒いことも考えたり。
全くなんなんだろう、あの態度は。
ブツブツ言いながらコーヒーを二つ用意して持っていくと、二人は応接セットに移動していた。
ガラスをコンコン叩く音と同時に、微笑みを浮かべた副社長が見えた。
「はい。いらっしゃいます」
そう言えば、社長の態度に頭の中からすっぽ抜けていたけど、金曜の夜に副社長の息子さんから大変そうなファイルを渡されてたよね。
……その件かな?
一応、内線電話で副社長の来訪を告げると、声だけは平常心で『入ってもらってくれ』と言うお返事を頂いた。
立ち上がり、執務室をノックしたら小さく返事が返ってきたからドアを開く。
「何だね君たち。朝もそうだが、喧嘩でもしてるのかい?」
副社長の言葉に私は眉を上げ、社長は書類から顔を上げて不機嫌そうな顔をしたけれど、一瞬でその気配を消す。
朝は珍しく口論すせずに社長室に来たはずだけど……。
「副社長。あなたはそんな話をしに来たわけではないでしょう。……コーヒーを頼む」
最後の方は私に向かって言ったので、静かに頭を下げた。
「かしこまりました」
入っていく副社長を見送り、給湯室に向かいながら……出涸らしでも淹れてやろうかな。
一瞬、そんな黒いことも考えたり。
全くなんなんだろう、あの態度は。
ブツブツ言いながらコーヒーを二つ用意して持っていくと、二人は応接セットに移動していた。