臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
***
しばらく経つと、変則的な仕事のやり方にも慣れてくる。
だいたいは監査室から私宛にメールが来て、私が監査室に向かう。
そこで調査報告書を渡されて、それを常務の執務室に持っていくフリで、社長室の野村さんに持っていく。
たまに野村さんの通常業務を手伝ったりもするけれど……。
そんなに極秘にしたいなら、直接メールでやり取りしたり、データを調べたりした方が、目立たなくていいんじゃないかと思うんだ。
「それは今は難しいかな。どこの部署からどこのデータにアクセスしたとか、どこの誰がどこの誰宛てにメールしたとか、データ管理室に内通者がいたらすぐに調べられるから。役員は何かと目立つよ」
質問をぶつけた野村さんの言葉に頷いた。これは相当な内部調査が入っちゃってるみたいだなぁ。
「……私は臨時秘書を降りて、常務の秘書補佐に戻っているから、注目度も低い、と言うことですね?」
「そういう事。今、真っ先に管理室を内部調査中だから、それまで使いパシリみたいになるけど、ごめんね」
「それは構わないんですけど……」
閉じられた執務室のドアをちらっと見て、首を傾げる。
社長はちゃんとご飯食べているんだろうか。
毎朝、通り過ぎる横顔を見ていると、少しだけ痩せたような気がするんだけど。
だけど、私が言うことではないし。
考えていたら、野村さんは小さく笑った。
しばらく経つと、変則的な仕事のやり方にも慣れてくる。
だいたいは監査室から私宛にメールが来て、私が監査室に向かう。
そこで調査報告書を渡されて、それを常務の執務室に持っていくフリで、社長室の野村さんに持っていく。
たまに野村さんの通常業務を手伝ったりもするけれど……。
そんなに極秘にしたいなら、直接メールでやり取りしたり、データを調べたりした方が、目立たなくていいんじゃないかと思うんだ。
「それは今は難しいかな。どこの部署からどこのデータにアクセスしたとか、どこの誰がどこの誰宛てにメールしたとか、データ管理室に内通者がいたらすぐに調べられるから。役員は何かと目立つよ」
質問をぶつけた野村さんの言葉に頷いた。これは相当な内部調査が入っちゃってるみたいだなぁ。
「……私は臨時秘書を降りて、常務の秘書補佐に戻っているから、注目度も低い、と言うことですね?」
「そういう事。今、真っ先に管理室を内部調査中だから、それまで使いパシリみたいになるけど、ごめんね」
「それは構わないんですけど……」
閉じられた執務室のドアをちらっと見て、首を傾げる。
社長はちゃんとご飯食べているんだろうか。
毎朝、通り過ぎる横顔を見ていると、少しだけ痩せたような気がするんだけど。
だけど、私が言うことではないし。
考えていたら、野村さんは小さく笑った。