臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「……心配?」
「え……な、何の事ですか?」
「見ていると、若い人たちは余裕を持ち過ぎて、無駄な時間を過ごしているなぁ……って、ジイジは思ってしまうんだけどね」
溜め息交じりに笑って、野村さんは書類の角をトントンと揃える。
「最近、昼食を忘れるね。夕食も食べているんだか。あの子は少し責任感が強すぎると思うよ?」
……何の事だろう?
たぶん、社長の事を言っているのはわかるけど。
「思いましたけど、役員の方たちって、どこか社長に対してアットホームですよね」
「まぁ、僕らの年代だと、父親の前社長にまとわりついて、グズっていた鼻タレ小僧の彼を知っているからねぇ」
「……鼻タレ小僧」
「学校が終わると、社長室か専務室にミニカー持って現れて、よく遊んでいたよ。時々、会長の畑を荒らして怒られていたし……」
……そこまで言って、何を思い出したのか、野村さんが大きな声で笑った。
「このフロアの壁が全面ガラス張りになった理由を思い出したよ。確か、社長が何も言わずに行方不明になって、えらい大騒ぎになったんだ」
ん……? それってもしかして。
「結果、秘書課で羽柴と戦隊ものゴッコしてるのが見つかって、どこに隠れるかわかったもんじゃないと、全面ガラス張りにしたんだよね。しばらく社長が“かくれんぼが出来ない”とお冠だったけど」
あまりにも微笑ましいエピソードに、思わず笑ってしまった。
「え……な、何の事ですか?」
「見ていると、若い人たちは余裕を持ち過ぎて、無駄な時間を過ごしているなぁ……って、ジイジは思ってしまうんだけどね」
溜め息交じりに笑って、野村さんは書類の角をトントンと揃える。
「最近、昼食を忘れるね。夕食も食べているんだか。あの子は少し責任感が強すぎると思うよ?」
……何の事だろう?
たぶん、社長の事を言っているのはわかるけど。
「思いましたけど、役員の方たちって、どこか社長に対してアットホームですよね」
「まぁ、僕らの年代だと、父親の前社長にまとわりついて、グズっていた鼻タレ小僧の彼を知っているからねぇ」
「……鼻タレ小僧」
「学校が終わると、社長室か専務室にミニカー持って現れて、よく遊んでいたよ。時々、会長の畑を荒らして怒られていたし……」
……そこまで言って、何を思い出したのか、野村さんが大きな声で笑った。
「このフロアの壁が全面ガラス張りになった理由を思い出したよ。確か、社長が何も言わずに行方不明になって、えらい大騒ぎになったんだ」
ん……? それってもしかして。
「結果、秘書課で羽柴と戦隊ものゴッコしてるのが見つかって、どこに隠れるかわかったもんじゃないと、全面ガラス張りにしたんだよね。しばらく社長が“かくれんぼが出来ない”とお冠だったけど」
あまりにも微笑ましいエピソードに、思わず笑ってしまった。