臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
社長を離そうと力を入れたら、思っていた以上に簡単に離れてくれた。
目に映ったのは、白いシャツにくっきり映えるローズ色のルージュ。
それを見てドギマギしていたら、頭上からふっと笑われる。
「気にするな」
「気にしますよ。ファンデまでついちゃったじゃないですか」
どうしようかな。確か、口紅って落ちにくいんだよね。だけど食器用洗剤を含ませたスポンジで叩いたらいいって聞いたことあるけど。
「お前な? こんな時にシャツは構わなくていいぞ?」
「そういうわけにいかないです。車で帰るって言っても、このままじゃ社長に恥をかかせちゃいます」
堂々とキスマーク付けながら帰れないでしょう。
「美和……?」
「はい?」
「結婚したいなら、俺を選べ」
「は……?」
言いながら、ポカンと社長を見上げた。
今、何かおかしな言葉を聞いたような気がするんだけど。
「気のせいかな……」
真面目な顔で呟くと、これま真面目な顔を返された。
「お前、人の一世一代の告白を“気のせい”にするな」
「い、今のが一世一代って言葉!? 一世一代の言葉は、もっと重々しく言わないとダメでしょう!」
「そんなのは誰が決めた」
「誰も決めてませんけど……」
ずいっと社長が近づいてきたから、首を振りながら一歩離れると、片手に掴んだお見合いの釣書を思い出す。
取り出した途端抱えられて、そのまま持ってきちゃったんだ。
目に映ったのは、白いシャツにくっきり映えるローズ色のルージュ。
それを見てドギマギしていたら、頭上からふっと笑われる。
「気にするな」
「気にしますよ。ファンデまでついちゃったじゃないですか」
どうしようかな。確か、口紅って落ちにくいんだよね。だけど食器用洗剤を含ませたスポンジで叩いたらいいって聞いたことあるけど。
「お前な? こんな時にシャツは構わなくていいぞ?」
「そういうわけにいかないです。車で帰るって言っても、このままじゃ社長に恥をかかせちゃいます」
堂々とキスマーク付けながら帰れないでしょう。
「美和……?」
「はい?」
「結婚したいなら、俺を選べ」
「は……?」
言いながら、ポカンと社長を見上げた。
今、何かおかしな言葉を聞いたような気がするんだけど。
「気のせいかな……」
真面目な顔で呟くと、これま真面目な顔を返された。
「お前、人の一世一代の告白を“気のせい”にするな」
「い、今のが一世一代って言葉!? 一世一代の言葉は、もっと重々しく言わないとダメでしょう!」
「そんなのは誰が決めた」
「誰も決めてませんけど……」
ずいっと社長が近づいてきたから、首を振りながら一歩離れると、片手に掴んだお見合いの釣書を思い出す。
取り出した途端抱えられて、そのまま持ってきちゃったんだ。