臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
ワガママな子供がいます。
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悪い噂は千里をかけると言う言葉があるが、まさにそう思う。
誰かが大挙して押し寄せると言うことはないけど、たまにかかってくる内線電話に仕事を邪魔されるようになってきた。
『存じあげませんでしたが、取引先から聞きまして……』という言葉の内容は“私が社長と婚約した”という驚くべきニュース。
存じませんでしょうとも、私だって存じあげていませんからね!
皆、けっこう暇なだな。
仕事しろ仕事。
内心でブツブツ言いながら、声だけはにこやかに内線電話を切ると、ドアが開いて社長が顔を出した。
「小娘。海外開発部の事業資料が足りない気が……」
じろりと睨み付けた私に、社長は気が付いて口角を上げる。
「どうした。今日はどこから連絡が来た?」
「開発部、運営推進部の部長からです」
「ふうん? 開発部は外と接点が少ないのにな。そこまで噂が浸透したか」
「浸透したか、じゃありません。何ですかこれ。私が社長と買い物行ったのはつい2日前の話ですよ? それなのに週明けまだ火曜日なのに……」
溜め息をつきつつ、ファイルを取り出して海外開発部の資料を探し、社長に手渡す。
悪い噂は千里をかけると言う言葉があるが、まさにそう思う。
誰かが大挙して押し寄せると言うことはないけど、たまにかかってくる内線電話に仕事を邪魔されるようになってきた。
『存じあげませんでしたが、取引先から聞きまして……』という言葉の内容は“私が社長と婚約した”という驚くべきニュース。
存じませんでしょうとも、私だって存じあげていませんからね!
皆、けっこう暇なだな。
仕事しろ仕事。
内心でブツブツ言いながら、声だけはにこやかに内線電話を切ると、ドアが開いて社長が顔を出した。
「小娘。海外開発部の事業資料が足りない気が……」
じろりと睨み付けた私に、社長は気が付いて口角を上げる。
「どうした。今日はどこから連絡が来た?」
「開発部、運営推進部の部長からです」
「ふうん? 開発部は外と接点が少ないのにな。そこまで噂が浸透したか」
「浸透したか、じゃありません。何ですかこれ。私が社長と買い物行ったのはつい2日前の話ですよ? それなのに週明けまだ火曜日なのに……」
溜め息をつきつつ、ファイルを取り出して海外開発部の資料を探し、社長に手渡す。