臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
言われるままに羽柴さんの後をついて行くと、重役室のある区域まで来た。
え。ちょっと待とう?
重役たちの執務室の前室には秘書が座っている。
廊下側はガラス張りだから、前室に詰めている秘書の様子は見られるわけなんだけど……。
今、執行役の秘書に目を丸くされたよ?
次に常務の執務室は無人。今はニューヨーク支社に出張中だからこれは当たり前。
そして専務の秘書からは驚愕の眼差し、そして副社長とその秘書のふたりに笑顔で見送られた。
「は、羽柴室長?」
「ちょっと困ったことになってねぇ」
にこにこと微笑む羽柴さんを眺め、誰もいない社長室の前室に入る。
つるつるピカピカ飴色に磨かれたドア、社長の執務室のドアをノックして羽柴さんが声をかけた。
「失礼します」
「……開いている」
不機嫌そうな低い声が聞こえて、そのドアが開かれる。
デスクの向こうに立つ社長の姿が見えた。
社長はしばらく私たちに背を向けて窓の外を眺めていて、私たちが近づくと……。
正確には羽柴さんにぐいぐい押されて連れていかれたんだけど……社長は振り返って、私を見た途端に顔をしかめた。
「誰が小娘を連れてこいと言った」
社長の不機嫌そうな声に、思わず隣りの羽柴さんを見る。
え。ちょっと待とう?
重役たちの執務室の前室には秘書が座っている。
廊下側はガラス張りだから、前室に詰めている秘書の様子は見られるわけなんだけど……。
今、執行役の秘書に目を丸くされたよ?
次に常務の執務室は無人。今はニューヨーク支社に出張中だからこれは当たり前。
そして専務の秘書からは驚愕の眼差し、そして副社長とその秘書のふたりに笑顔で見送られた。
「は、羽柴室長?」
「ちょっと困ったことになってねぇ」
にこにこと微笑む羽柴さんを眺め、誰もいない社長室の前室に入る。
つるつるピカピカ飴色に磨かれたドア、社長の執務室のドアをノックして羽柴さんが声をかけた。
「失礼します」
「……開いている」
不機嫌そうな低い声が聞こえて、そのドアが開かれる。
デスクの向こうに立つ社長の姿が見えた。
社長はしばらく私たちに背を向けて窓の外を眺めていて、私たちが近づくと……。
正確には羽柴さんにぐいぐい押されて連れていかれたんだけど……社長は振り返って、私を見た途端に顔をしかめた。
「誰が小娘を連れてこいと言った」
社長の不機嫌そうな声に、思わず隣りの羽柴さんを見る。