臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
不思議そうにしていた社長の顔が、みるみる難しい顔になっていく。
「言っていることが理解できないが。どういう意味だ」
「私、臨時の秘書ですし、そんな大事そうな事を……」
「お前、臨時とはいえ俺の女房役だろ。言わなくてどうするんだ?」
にょ、女房!?
思わず社長を凝視すると、彼は困ったように首を傾げる。
「今のところ、野村ほどは頼りにはならないが、お前は思ったことをハッキリと言ってくるしな。結構面白い」
「面白い……?」
「今時の若い奴ってハッキリしないこと多いから困るんだが。意見があるなら言えばいい。採用するかどうかはわからないし、まだ任せるまでは出来ないが、言わないよりはマシだろう」
「マシ……」
「とりあえず監査の結果次第だな。なめた真似してんなら、締め直しを検討しないと」
どこか闇を背負っていそうな社長の笑顔に少し引いた。
あなたは魔王か。
そう思いつつもこっそりと心の中で溜め息をつく。
社長は“デート”だって言っていたけど、これって確実に違うよね。
なんて言うか、絶対にミーティングだもの。
でも、社長と会話する事なんてないから、今日はいい機会だったのかもしれない。
庭の方を向いてから、そっと箸を置く。
「……きっと、今は嵐の前の静けさですねぇ」
遠くから鹿威しの音が響いて……そして消えた。
「言っていることが理解できないが。どういう意味だ」
「私、臨時の秘書ですし、そんな大事そうな事を……」
「お前、臨時とはいえ俺の女房役だろ。言わなくてどうするんだ?」
にょ、女房!?
思わず社長を凝視すると、彼は困ったように首を傾げる。
「今のところ、野村ほどは頼りにはならないが、お前は思ったことをハッキリと言ってくるしな。結構面白い」
「面白い……?」
「今時の若い奴ってハッキリしないこと多いから困るんだが。意見があるなら言えばいい。採用するかどうかはわからないし、まだ任せるまでは出来ないが、言わないよりはマシだろう」
「マシ……」
「とりあえず監査の結果次第だな。なめた真似してんなら、締め直しを検討しないと」
どこか闇を背負っていそうな社長の笑顔に少し引いた。
あなたは魔王か。
そう思いつつもこっそりと心の中で溜め息をつく。
社長は“デート”だって言っていたけど、これって確実に違うよね。
なんて言うか、絶対にミーティングだもの。
でも、社長と会話する事なんてないから、今日はいい機会だったのかもしれない。
庭の方を向いてから、そっと箸を置く。
「……きっと、今は嵐の前の静けさですねぇ」
遠くから鹿威しの音が響いて……そして消えた。