臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます！
26歳にもなる女を小娘呼ばわりする人はいないと思う。

「俺は秘書を連れてこいと言ったんだ。新人を連れてこいと言ったわけじゃない」

一応、私は秘書課で勤続３年にはなりますが。

「社長。先ほども申し上げましたでしょう。今、手が空いているのは彼女か春日井君だけだと」

瞬時に思い出したのは、お尻をふりふり歩いていた春日井さんの後姿。

そして事故に遭ったと言う野村さんの事だ。


つまりは、野村さんが復帰するまでの秘書を社長は欲していると言うわけだよね。

うん。春日井さんなら大変光栄に思いながら社長秘書をしてくれるよ。
ちょっと香水はキツイかもしれないけど、それさえ我慢すれば案外頑張って仕事してくれると思うんだ。

私はぶっちゃけ社長の激務に巻き込まれたくないし。

だいたい、いい男はテレビのアイドルと一緒で、遠くで眺めているのが楽しい。

その方が全体もよく見えるし、安穏と楽しんでいられるってものだよ。

私は遠くから観賞用で社長を眺めているのが好きなんだし、こんな間近でこんな不機嫌そうに眉間にしわ寄せて、難しい顔している社長を見たいわけじゃない。

だけど、そうそううまくいくはずがないのが世の中というものだ。
< 7 / 255 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop