臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
だけど、真剣な顔をしている社長に眉を顰めた。

「何か問題でも?」

「まぁ、少しな。来客のゲストに、数名……」

ゲストに数名?

だけど、そぅっと外された視線にピンと来るものがあった。


「それは女性でしょうか?」

「う……いや、まぁ……」

切れの悪い呟きに、少しづつ目を細めていく。

「だいたい、いい大人が情けないんじゃないですか? そもそも社長がちゃんと毅然としていたら、防げることだと思いますし」

「いや。その通りとしか言いようがないから、反論も出来ないんだが……」

「いくら肉食女子が増えたからって、社長の意思も無視して迫ってくる方はいないでしょう?」

「それは……」

社長は顔の前で祈るように手を組むと、そこに顎を乗せ、真摯な視線を私に向けた。

「実はいるんだ」

いるんだ!?

まさか場の空気も読まない、そしてぐいぐい迫ってくる女性が?

でも待って、社長は社長であって、彼が強く拒否出来ない人って、そんなにいないんじゃないの?

どうなんだろう。私は祝賀的なパーティーがあっても本当に裏方しか経験ないから、全然想像もつかないんだけども……。

「どなたか伺っても?」

「峰友加里社長……」

ポツリと呟かれた名前にあんぐりと口を開け……。

「嘘だぁ~」

私の言葉に社長はガックリと顔を伏せた。
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