三角の複雑な恋
ー優人saidー


また、朝がきてしまった。

でも、別に行くのが嫌な訳ではない。

俺は鈴木 優人。

高校2年生。

ベッドから出てボサボサの髪の毛のままリビングへ行き、朝食を食べる。

「優人、ボサボサだとモテないよぉー?!」

朝から声のでけぇ5つ上の姉に言われた。

「うるせ。別にモテなくたっていいから」

そう、俺はモテなくていい。

蜜さえ、俺を見てくれるなら。

美園 蜜。

子供の頃からの幼なじみでずっと片想いしてる。

朝食を食べ終え髪をセットし、制服に着替える。

(よし、これでいっか。)

自分の部屋に行って鞄を持ち家を出る。

(今頃、蜜と頼は一緒にいるのかな。)

頼とは、俺と蜜の幼なじみの鈴木 頼。

蜜と頼は家が凄く近いが、俺は親の事情で家が多くなってしまった。

(くっそ、頼がうらやましいーぜ。)

毎日頼に嫉妬しながら電車に揺られる日々。

学校に着き教室に入ると、蜜が教科書を出している姿が見えた。

「みーつ!おはよ!」

驚かすために後から肩を叩き、挨拶した。

蜜は驚きながらも普通挨拶をしてきた。

「おぉ、優人おはよ」

突然後ろから挨拶され、後ろを振り向くと頼がいた。

「おっ、頼おはよ。ってかさ、今日から夏服なのか。みーつ、可愛いじゃん」

「えっ!?」

可愛いと言う俺に驚きを見せる蜜。

(そういう反応もまた可愛いんだよね。)

「夏の制服も似合ってるじゃん」

「あっ、ありがと...。でも、さっき頼にも言われた」

(なんだよ、頼も言ってたのかよ。)

「だって俺からも頼からも可愛く見えてるからじゃん」

素直に言ってる俺に、蜜は「熱なの?」と心配された。

1時間目から数学という俺の得意科目から始まった。

問題を解いていると先生が蜜を指した。

(え、先生正気か?蜜には無理だろ。ってか、顔が真っ青になってる。)

と、俺は後ろの奥の方から蜜を見つめる。

「無理って...1時間目からぼーってして、熊谷と鈴木に可愛いって言われて浮かれてるからだろ?」

(え、俺、巻き込まれた?しかも、先生なんで知ってるんだよ。)

結果、蜜の変わりに頼が答えた。

頼が解き終わり席に戻る時、蜜の耳元で何かを言っている姿を見た。

しかも、凄く仲良しだ。

(あいつら付き合ってるのか?)

俺は不安しか抱かない。

でも、頼なんかに蜜を渡せねぇ。

絶対負けないと誓った時だった。


放課後になり、俺は帰る支度をしていた。

今日1日も、もう終わりだ。

(今日の夜ご飯なにを食べようかな)

と、考えていながら支度をしていると支度を終えた頼と蜜が仲良く話している。



帰りの支度をしていると、蜜と頼が仲良く話してる姿が見える。

(はぁ、なんでいつも2人なんだよ。)

少しイラッとしながら支度を終わらせた俺は2人に声をかける。

「そこで、イチャるな。さっさと行くぞ!」

俺は2人を置いていき、先に昇降口へ向かう。

(おっし、頼に負けられねぇーぜ!)
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