三角の複雑な恋
恋の文化祭
ー恋の文化祭ー

ピピピ...カチッ

また、あの夢だった。

(あの夢はいつまで続くんだろう...。)

学校行く支度をし、家を出る。

見慣れた通学路を歩いてると頼が後ろから来た。

「おはよ、蜜」

「おはよう、頼」

「なぁ、文化祭もう少しだな...」

「本当だね、楽しみだなぁー」

そう、私の学校はもう少しで文化祭。

だからクラスの出し物とかで忙しい。

ちなみに私のクラスは演劇をする。

題目は...シンデレラ!

「蜜ってシンデレラ役だろ?」

「うん、私には出来ないのに...。」

「蜜なら大丈夫だろ」

頼はそう言いながら私の頭をなでた。

「...っ!」

「じゃあ、俺は王子様でもやろっかな。どう思う?...蜜?...え、おまっ、なんで顔赤いんだよ!熱でもあるのか!?」

顔を赤くして立ち止まる私に、動揺する頼。

(熱はないけど、本当にあれはキュンってしちちゃうよ、バカぁ、。)

赤くなってる理由は、さっき頼が頭を撫でたから。

そんなことされたら誰だって赤くなってしまう。

きっと頼に言うと調子に乗るからやめておこう。

「ね、熱ないもん!さ、先に行くよ」

私は頼にバレないように走って先に行く。

クラスに着くともう優人がいた。

「優人、おはよう」

「おう、おはよぉー。って、あれ、頼は?」

頼がいないことに気づき、聞いてくる優人。

「っ!お、置いてきたっ!」

「え、なんで?」

「そ、それ以上聞かないで!」

私は、優人にそう言いクラスから出る。

(優人にまでバレたら余計にややこしくなりそう。)

私はそう思い、言わなかった。

クラスに戻ると頼と優人が話していた。

頼は私に気づくと近づいてきた。

「なんで先に行くんだよ。ったく、なんかあっても知らねえーぞ?」

頼は、そう言いながら私の頭に自分の手をのせてきた。

(そういうのが赤くなるんだってばっ!頼のバカ!)

私は頼を意識しながら授業を受けるはめになってしまった。

放課後になり、演劇の練習が始まる。

「ねぇ、蜜。王子役変わって熊谷君になったみたいよ!」

「え、なんで!?」

友達が衣装室に来て言ってきた。

(なんで急に王子役に変わったんだろ...?朝言ってたけどでも、なんで?)

私はクラスに行って練習をする。

「はーい、じゃあ、今日はここまで!お疲れ様」

先生が終わりの合図をしたら、皆は片付けをし帰りだした。

(私は残って台本読んどこう。)

私は誰もいない教室で練習をしていた。

(あっ、そういえば、ドレス出来たって言ってたかも。)

試着してみたくて、友達のロッカーからドレスを取り出し、試着してみる。

(ピッタリだ。)

鏡で確認し眺めていると、クラスのドアが開いた。

私はビックリし振り返る。

すると、なぜか頼がいた。

「え、よ、頼!?なんで!?」

「いや、蜜こそなにやってるんだよ!」

「私は台本読んでてドレス試着してたの」

「ふーん...。」

頼は、真顔でどうでもいいかのように近づいてくる。

「な、なに?なんか言いなさいよ」

私が話しかけても見つめながら無視をする。

(無視ですか。)

「はぁ。」

(こんにゃろ、ため息つきやがったな。)

「可愛すぎんだろ」

「え?」

急の言葉に私の口からマヌケな声が出る。

「なぁ、蜜。」

「ん?」

「俺、さ、」

「うん」

(なにこの緊張感。)

「...、頼?」

「な、なんでもねぇ。」

(そこまで待たせておいて?)

「やだ、気になる」

「マジでなんでもねぇーよ」

「んもぉ、焦らし魔め!」

「帰るだろ?早く支度しないと置いていくぞ〜?」

「勝手に帰ればいいじゃん」

「へぇ、そんなこと言うんだ。お化けでるぞ?」

「い、いやだ...。」

「よしよし、廊下で待っててやるから着替えとけ」

(っ!?照れるじゃん、バカ。)

頼が廊下に出て行き、速攻で着替える。

(お、お化けなんてやだ。)

帰りの支度をしていると、廊下から物音が聞こえた。

(え、よ、頼かな?)

気にせずにいると次は外から音が聞こえた。

(ねぇ、やだやだやだ。怖い怖い。)

窓を見ると白い影が見える。

(いやいやいや...、)

「きゃーーーーー!」

ダンッ!

「蜜!!」

扉が勢いよく開き、頼が息を切らしながら来てくれた。

「蜜、泣いてどうした?」

「よ、頼〜」

私は怖さから安心に変化し、頼に抱きついた。

「っ!蜜、怖かったな、大丈夫だから。俺がいるよ」

私が泣き止むまで頼はずっと抱きしめてくれた。

「蜜、帰れるか?」

「うん。」

「じゃあ、帰るか」

(っ!)

頼は手を繋いできたのだった。

「よ、頼?」

「んー?」

「て。」

「蜜、まだ不安かなって思ってー?」

「バカ。」

私は、手を繋ぎながら頼の優しさにまたキュンとしたのである。

このドクドクしてる気持ちはなんなんだろうと悩むのであった。
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