三角の複雑な恋
今日はいよいよ文化祭の日。

私達の学校は、色々な人で賑わっていた。

私達のクラスの演劇は、ばっちり。

たくさん練習したし太陽とも息合ってるし。

でも、演劇って分かってても...。

ひとつひとつの行動に胸がうるさくなる。

私太陽のことが好き。

そう気付いたのは、三日前のことだった。

ー三日前ー

演劇の練習中に私がステージから落ちそうになったことがあった。

そのとき、かばって助けてくれたのが太陽だったの。

でも、それだけで好きって気付いた訳じゃない。

登下校中、危ないときすぐに助けてくれて。

そういう所に少しずつ惚れてきたのかも...。

それで今に至るわけ。

クラスの演劇が始まりいいペースで進んでいく。

王子様だけのシーンでずっと目でおってしまう。

私達のクラスは優勝した。

皆片付けているときに太陽に呼ばれた。

「なあ、夜行祭一緒にいてくれない?」

「え?なんで?」

「まあ、一緒にいたいからってか、なんて言うか...」

照れながら言っている太陽に笑ってしまう。

「な、なんだよ」

「つい可愛すぎて。分かった、一緒にいよ」

「着替えたらここに来いよな」

「分かった」

私は太陽と約束をし、更衣室に向かう。

太陽と一緒にいられる。

私は、凄く嬉しくて胸が踊る。

着替えて髪の毛などを整え、約束場へ向かう。

そこには太陽がいた。

「太陽、待たせちゃった?」

「大丈夫。そういえば、綺麗に花火見れるところあるから来て」

太陽に連れてこられるまま歩くとそこは図書室だった。

「太陽、ここ図書室だよ?」

「そう。図書室が綺麗に見えるんだ。秋菜ここおいで?」

「うん」

「ねえ、太陽」

「ん?」

「私さ、太陽達と同じ学校でよかったよ」

「え?」

「だって凄く毎日が楽しいもん」

「俺だって秋菜と同い学校選んでよかったよ」

「うん。...え?」

「俺さ...秋菜のこと好きだ」

私は、太陽を直視しか出来ないで固まった。

え?

太陽が私を?

嘘だよ。

「う、そ...」

「嘘じゃねえーよ。本当」

「ありえないよ」

「ありえるんだよ」

太陽の言葉は凄く嬉しかった。

「俺と付き合ってください」

太陽が真剣に頭下げてくるから笑ってしまった。

「うふふ...。こんな私でよければお願いします」

「え?マジで?」

「うん、マジで」

「俺の彼女?」

「そうなるね」

「お前...、意味が分からないから言ってるだけ?」

「そんなバカじゃないよ。それくらい分かりますうー」

「え?お前、本当に俺のこと好きなの?」

「好きだよ」

「ガチで言ってる?」

「いつでもガチなんだけどなあー」

「マジかよ」

太陽がさっきから凄く焦ってる。

同じ質問疲れた。

「じゃあ、存分にイチャイチャしていいってことだな」

「え?」

「秋菜、ここ来て」

「ここって?」

「こ、こ」

太陽が指しているのは太陽の膝のうえだった。

「早く」

「やだ」

「秋菜に拒否権はない」

「だって恥ずかしいもん」

「大丈夫。二人だけなんだから」

私はしぶしぶ太陽の膝の上に移動する。

「ダメ。こっち向き」

向かされたのは後ろだった。

太陽の顔目の前だし。

「なんで?花火見れないよ」

太陽を見ると太陽は、真剣な顔をしていた。

「秋菜、好きだよ」

太陽はそう言い、キスをしてきた。

「ん...」

太陽は角度を変えながら長くキスをする。

「んっ......ふっ......!?」

すると急に太陽は舌を入れてきた。

私の手は、太陽にしがみついていた。

「んっ!......んぁ...」

口の中を探られ絡み合い、強く吸われる。

この行為に私は力が抜けてしまった。

太陽が舌を抜き唇を離すと私達の唇の間に銀色の糸が引いてあった。

「秋菜ごめん、我慢出来なくて」

私は太陽を見つめた。

「秋菜!?なんで泣きそうになってるんだよ!マジでごめんな!」

「泣きそうなんかじゃないの!なんか、最初はびっくりしたけど後から気持ちよくなっちゃって...」

私は最後の方を濁らせて言う。

「秋菜、そんな言葉どこで覚えたんだよ」

「だからそこまでバカじゃないよ」

「気持ちよかったならこれから存分に出来るな」

太陽はそう言いながらにやりと笑った。

「ほら、行くぞ」

私も立とうとしたけどなぜか立てない。

もしかして、さっきのキスで...?

「どうした秋菜?」

「太陽...、立てないの」

「え?」

「力入らなくて立てないの」

「まさか、さっきのキスで...?」

「多分」

「腰抜かしちゃったな、それ」

「どうしよう」

「大丈夫。よし、おっけい」

「た、太陽!下ろしてよ!」

まかさの太陽が私をお姫様抱っこした。

「重いでしょ!?だから下ろして!」

「下ろそっか?でも、立てないんだろ?」

「立てない...」

「だろ?ならやられてるままになってろ」

「太陽...ありがと」

「どういたしまして」

そして私は太陽にお姫様抱っこをされたまま、家まで送ってもらった。

「秋菜、玄関開けるのもなんだからチャイム押せ」

「え?チャイム?」

「そう、チャイム」

「分かった」

私はよく分からないまま太陽の言う事を聞く。

ピンポーン...

「はい」

ガチャ...

「え?秋菜?太陽君まで。どうしたんだい?」

「お父さん。あのね、ちょっと立てなくなっちゃって」

「大丈夫なのか?病院行った方がいいんじゃないか?」

「そ、そこまでじゃないよ」

お父さんは、病気とかだと思っているらしい。

でも、さすがにキスで腰抜かして立てなくなったとは口が裂けても言えない。

「あの、お父さん」

「どうした?太陽君」

「実は...」

太陽言っちゃうの?!

勢いよく目を瞑ったそのとき、

「俺、秋菜と付き合わせてもらってます」

え?

私は太陽を見た。

「太陽君、そうだったのか」

「でも今日からなんです。俺が今日告白して」

「太陽君、本当に秋菜を好きか?」

「はい。大好きです。一生守りたいと思ってます」

「太陽君、秋菜を幸せにしてやってくれ。秋菜には幸せな家庭を築いてもらいたいからな」

「お父さん...」

「秋菜、実はキスで腰抜かしちゃったんだろう?」

「な、なんで!?」

なんで分かるの!?

バレたくないから隠してたのに!

「秋菜のことなら分かるよ」

「太陽君、秋菜を部屋までお願いしていいか?ついでに遅いから泊まっていきなさい」

「分かりました。でも、泊めていただくには申し訳ないので大丈夫です」

「立てない秋菜の為にお願いしてもいいか?」

「泊まるのですか?」

「あぁ。色々と手伝ってやってくれ」

「分かりました。じゃあ、お言葉に甘えて」

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