引越し先のお隣は。
「一応、1年から3年までの評定平均が4.9ですね」
「はい」
「行く大学は特に変わってないよね」
「はい」
「よし。受験の仕方は?」
「公募推薦でお願いします」
「その大学は評定平均4.5以上だから問題はないですね。お母さん、なにかありますか?」
「そうですね。あっちに行って上手くやれるのか心配ですね」
「そうですよね。だけど寮なら友だちもたくさん出来ると思いますし、佐倉さんなら大丈夫だと私は思います」
「そうですかね」
こんにちは佐倉 夏芽です!
ただいま三者面談でございます。
「後は佐倉さん、受験勉強頑張ってね」
「はい」
三者面談では特に話すことなくあっさり終わった。
「車、学校の隣のコンビニに止めてあるから」
「普通に学校に止めれば良かったのに」
「だって、止めていいか分かんなかったんだもん」
すると
「こんにちは」
ん??
廊下で会ったのは、
「あ、先生」
三浦先生だった。
「こんにちは〜」
お母さんは軽く頭を下げる。
「三者面談?」
「うん、今終わった」
「ちょっと夏芽、ちゃんと敬語使いなさい」
お母さんはあたしにそう言ってきた。
すると先生が
「いえいえ。構いませんよ」
って、にこって笑った。
んー!先生かわいー!!!
「なら気をつけてな」
「うん、ばいばい!」
先生とハイタッチしてあたし達は学校を出た。
「さっきの先生、夏芽と仲いいの?」
「うーん、仲いいのかな」
「なにそれ。でも、優しそうだったね。それにイケメンだったし」
「まぁ、ね」
なんだか久しぶりに、三浦先生に会った気がした。