引越し先のお隣は。


「さくらちゃん!今日暇?」



「暇だよ?」



「うちのお家来なよ!」



「ほんと!?やった〜久しぶりだね〜」



「さくらちゃんって本当あたしのお家好きだよね」



「なんか落ち着くって言うかさー、オシャレだし」



「そうかな」



「引越ししても遊びに行くね!」



「うん!」



「ずりー、俺も誘えって」



間宮くん。



「舜は今日暇なの?」



さくらちゃんはそう言った。



「おう、いつも暇だぜ」



「そっか、なら明日あたしの家きなよ!」



「お!マジで!」



「うん!夏芽は?来る?」



「え!あたしは大丈夫!」



あたしは慌ててさくらちゃんに返事した。



「佐倉来ないのかよ」



間宮くんはそう言う。



「…あたし、そろそろ引越しの準備しなきゃだし、落ち着いたらまた行こっかな」



「そっか、大変だよね」



「だから佐倉、学校一緒に行こうぜって」



「…だから、無理だって言ってるでしょ」



さくらちゃんの前でやめてよ。



「だからなんで無理なんだよ、どーせお前ひとりだろ」



「間宮くんには関係ないでしょ」



「は…俺らって友達じゃなかったっけ」



「…」



なんでそんな事言うの…。



「隣の駅だろ?」



「あたしは…っ」



「ねぇ佐倉さん、」



「は、はい??」



突然あたしの名前を呼ばれた。



「1組の関くんが呼んでるよ」



「あ…」



ドアの向こうには関くんがいた。



なんか久しぶり。



いやでも、グッドタイミングだよ関くん。



「ちょっとごめんね」



さくらちゃんにそう言って



あたしは関くんのところへ行った。
< 20 / 34 >

この作品をシェア

pagetop