引越し先のお隣は。

｢では！夏芽のお家に〜｣



｢しゅぱ〜つ！｣



｢いえい！｣



｢おっ、楽しそうじゃん｣



｢あー！｣



現れたのは三浦先生。



｢日比野さんは佐倉さんと仲いいんだね｣



｢三浦先生、夏芽の事お気に入りでしょ｣



｢えっ！さくらちゃん何言って！｣



急にそんなことを言うさくらちゃん。



｢お気に入りって？｣



｢いやいやいやいやなんでもないですからー！さくらちゃん早く行くよー｣



あたしは慌ててさくらちゃんを引っ張る。



｢気をつけて帰れよ〜｣



は〜い！



って！あたしはばかか！



｢三浦先生、絶対夏芽の事特別視してるよ？｣



｢ないないないない！｣



｢傍から見たらそうだーって｣



｢そんな、先生は優しいしあんなの普通だよ｣



｢そうかもしれないけど、あそこまで無駄に話しかけてくるのは夏芽ぐらいじゃん？｣



｢それはないよー｣



｢どうなの！先生との恋って｣



｢だから〜。そもそも！先生には彼女がいるんでしょ？｣



そう聞いてるし！



｢その噂って本当なのー？先生に直接聞いた？｣



｢それは…てか聞けないし！あたしと先生はただの生徒と先生、それ以上はないから！｣



｢ふーん｣



｢あ、そうだ｣



｢ん？｣



｢明日ね、関くんと一緒に帰るの｣



｢なんでまた｣



｢誘われたんだよ。そういえばさくらちゃん、中学の時同じ学校だって言ってたね｣



｢まあ、ね｣



｢関くんっていい人だと思わない？｣



｢…関くんは｣



｢ん？？｣



｢関くんには関わらない方がいい｣



｢え？｣



関わらない方がいい？



どう言うこと？



｢だってあの人…｢夏芽！｣｣



｢お母さん！？なんで？｣



｢あらさくらちゃん。久しぶり｣



｢こんにちは！｣



さくらちゃんはお母さんに挨拶する。



｢お母さん、今からお父さん迎えに行ってくるから。ついでに夜ご飯も食べて帰るから遅くなるね｣



｢あ、うん、彼方は？｣



｢彼方？部活でしょ？｣



｢あぁ、そっか｣



｢夜ご飯、自分達で作れる？｣



｢あ、うん。大丈夫だけど…｣



｢なら宜しくね｣



は、はい。



お母さんはとことこ歩いて行った。



｢夏芽のお母さんってやっぱ可愛いよね〜若いしあたしの憧れ｣



｢やめなよ憧れなんて｣



｢なんでよ〜｣



｢あ、そうだ。さくらちゃん｣



｢ん？｣



｢さっき、何話そうとしてたの？｣



｢さっき？｣



｢うん、お母さんが途中入ってきたからさぁ｣



｢なんだったっけ。忘れちゃった｣



｢そっか、まあいっか｣



それからあたし達はお家でのんびりした。