引越し先のお隣は。
新しい生活。
「もう7時か。あたし晩ご飯つくるけど、さくらちゃんも食べて帰らない?」
「え!いいのっ!?」
「もっちろん!」
「やった〜じゃああたしも手伝うね!」
「ありがとう!」
今日の晩ご飯はオムライスにする事になった。
「彼方くん、そろそろ帰ってくるの?」
「んー、そうなんじゃない?」
いつも7時半くらいだっけ?
「彼方くん、イケメンだしね〜高校入ってもモテまくりって感じ?」
「そんな事ないでしょ。無口だし」
「そこがまた女子が惚れるひとつだよ」
「どこが」
「ただいま」
「帰ってきた!」
さくらちゃんは玄関へ走って行った。
さくらちゃん、彼方の事気に入ってるもんね。
お似合いって思ってたのになぁー。
ま、さくらちゃんには間宮くんがいるしね。
「さくら久しぶり」
「ほんとそうだよね!3か月ぶり?」
「そんくらい」
そして彼方(かなた)はあたしの二つ下の弟のこと。
「うわ、夏芽が料理してる」
「はっ!?」
「なに?何の騒ぎ」
「今日はお母さんとお父さん外食するからって。彼方もこっち来て手伝ってよ」
「いや…俺シャワー浴びてくるわ。さくら頼んだ」
「りょうか〜い」
逃げやがったなアイツ。
「さくらちゃん、あたしってそんなに料理似合わない?」
「夏芽、それ砂糖…」
「えっ!!、」
塩塩しおー!!、
「な、夏芽!」
「はい!」
「火強すぎだよ!フライパン焦げこげなっちゃう!」
「ぎゃー!!!」
どうやらあたしは料理に無縁らしい。