引越し先のお隣は。
「まぁ、夏芽が好きとかそんな感情分かるわけないじゃん?」
「え?」
「彼方、またあんたは余計な事を」
「さくらちゃん、夏芽は恋したことないんだよ」
つー!!
「本当?夏芽」
「いや、まあ…」
「そうだったんだ、なんかごめんね」
「さくらちゃんが謝ることじゃないよ。それよりさくらちゃんは?順調?」
「おー、そういや瞬さんとどうなんだよ」
「もちろん、あたしは瞬が好き!ずーっとね!」
「まじかー、告白は?すんの?」
「そうだよね、想ってるばっかじゃだめだよね。瞬って全然そういうの気づいてくれないからさぁ。言わなきゃだよねって思うんだけど」
「うん、」
「でも。もし振られてそしたらあたし達どうなっちゃうのかな。もう友達には戻れないよね」
「そうだよね…さくらちゃんと間宮くん、すごく仲いいもんね」
「そうかもしれないけど、そのままでいいのさくら」
「だって」
「後半年で卒業、みんなばらばらだぜ?俺は言わないと後悔すると思う」
「…」
「それに瞬さんだってそんなに仲良くてなんにも思ってないって事はないでしょ」
「かなぁ」
「俺はそう思う」
彼方…。
こいつ何かっこいいこと言ってんだ。
「夏芽」
「ん?」
「あたし、瞬にちゃんと気持ち伝える」
「うんっ」
「それで…もしだめだったら…」
「うん…」
「慰めてくれる?」
さくらちゃん…。
「当たり前だよ」
「また家に来いよさくら」
「うんっ!」
恋をするさくらちゃんは、かわいい。
そう思った。