引越し先のお隣は。
「さくらちゃん!楽しんでね!」
「うん!ありがとう!」
あれからというもの、さくらちゃんは何事も無かったようにあたしに接し、
間宮くんとはあれから一言も話していない。
だけどそれで良かったんじゃないかって思う。
これでさくらちゃんも、あんな顔しなくて済むと思うから。
「佐倉さん、」
「関くん!」
「行こっか」
「はいっ!!」
関くんといるこの時間が、なんだか楽しいって最近思うようになった。
あたし達は学校のすぐ近くの小さなオシャレなカフェに寄った。
「かわい〜」
「初めて?」
「うん、前から来てみたかったんだけどなかなか入れなくてさぁ」
「そうなんだ、ならちょうど良かったかも」
「フルーツパフェがこんなに!?」
「パフェとか好きなの?」
「うんっ!!もう大好き!」
わぁー、キラキラする。
「ふ」
「あ、ごめんなさい。おかしかったよね」
ひとりだけ変なテンションで舞い上がっちゃって。
「いや。女の子だなーって」
「えっ」
「かわいい」
…かわいい…だなんてー!!
一気に顔は赤くなる。
あたしの得意技。
「なら。フルーツパフェ、頼もうか」
「うんっ!!」
「どれがい?」
悩んだあげく選んだフルーツパフェはこのお店一番のオススメのもの。
いちごとメロンとベリーたち。
それをほおばるあたしと、その隣で笑いながら紅茶を飲む関くんだった。
「佐倉さん、好きな人いないんだよね」
「うん?」
「もしよかったらさ、」
「…ん?」
「俺と付き合って」
…え?
ええ?
つきあ…
えーー!!!!
「…あ、あの」
「今すぐにじゃなくていい。考えといて」
「…うん」
頭の中は真っ白で、
ただただ、さっきの言葉が頭から離れなかった。
それってつまり、あたしを好きってこと?
だよね。
うえー!!!
告白されたのは初めてだった。
盛り上がってたのは、あたしだけ。