引越し先のお隣は。
「今日はありがとう」
楽しかった1日はあっという間に終わった。
「ううん。佐倉さん、」
「はい」
「今日の事、考えといてね」
「あ…うん、」
「返事待ってる」
「…うん、」
関くんは微笑んで少し先の角を曲がって行った。
「はぁ…「夏芽?」」
「へ。あ、あんたいたの、?」
リビングからひょろっと出てきたのは彼方だった。
「今日は部活休みなもんで」
「あ、そう。お母さんは?」
「買い物じゃね?てか、さっきの彼氏?」
「え」
「窓から見てた」
はぁー!!??
「あんたねぇ、」
デリカシーを知れ!
恥を知れ!
「で?」
「で…って?」
「彼氏」
「違いますから!」
「じゃあ何?さっきの雰囲気は」
「は!?」
「いい感じだったじゃん?」
「告白されただけ」
「え!マジで!」
「…別に?」
「返事は?したの」
「…してないけど」
「これだから」
「はっ」
「すみませんって」
「…」
「ま、瞬さんの方がイケメンだな」
「なんで間宮くんと比べるの!ていうか!顔じゃないからね!?」
「ふーん?」
彼方はニヤニヤして部屋に戻って行った。
ったく。
ていうか、なんで間宮くんなわけ。
はぁー、もうよく分かんない。
好きって気持ちは、一緒にいて楽しいって思える人?
だったら関くんは好き?
告白なんかされたの初めてだから分かんないよー
はぁーあ。
その日は一日とっても悩まされた日だった。