引越し先のお隣は。
新しい街。
「あっ!さくらちゃん!」
「うんっ?」
「昨日、どうだった!?間宮くんと!」
「うん!楽しかった!あのね、夏芽」
「どうしたの?」
さくらちゃんは俯く。
そして顔を上げてこう言った。
「あたし…告白しようと思う。今日…」
「ほんとに!?そっかぁ!」
「うん、あのさ夏芽」
「ん?」
「だから、今日の放課後…付き合ってほしいの」
「あたし、いてもいいの?」
迷惑なんじゃ…
「いてほしい。だって、告白して振られたらあたし、家まで帰れないかもだから」
そう笑いながらさくらちゃんは言った。
でも本当は笑ってなんかない。
さくらちゃんの勇気がすごいと思った。
「大丈夫だよ」
ふたりは仲いいんだから。
間宮くんだって、さくらちゃんに告白されたら絶対振り向くし意識すると思う。
「ありがとっ、夏芽」
だからあたしは、放課後さくらちゃんについていくことにした。