引越し先のお隣は。
「夏芽ごめん!アルバイト今から入っちゃってあたしそのまま行かなきゃ間に合わないみたい」
「そっか!ならまた明日一緒に帰ろうね」
「ほんとごめんね、」
「ううん!バイト、頑張ってね!」
「なづめ〜」
さくらちゃんはあたしに抱きつく。
「さくらちゃん、行ってらっしゃい」
「うん!行ってきまーす!」
さくらちゃんはあたしに笑顔で手を振り慌てて教室を出ていった。
帰りが1人って慣れてる。
さくらちゃん、よくこういう事あるから。
それにあたしは学校からお家まで歩いて15分くらいだし。
まあ、今はね。
1か月後は引越しするんだよね。
もうお家は決まっている。
学校から3つ離れた街だけど、駅からは近いから楽勝。
ただ、この街の駅から学校までが少し遠かったり。
ま、仕方ないよね。
「佐倉、引越しすんの?」
「間宮くん…」
まだ教室いたんだ。
「電車通?それなら俺と一緒だな」
「そうなのー?」
それがなにかー?
「俺と学校行こうぜ」
は…。
「いやいやいやいや、ふざけないで」
「なに動揺しまくってんだよ」
「してないし!第一なんで間宮くんと一緒に登校なんか」
「俺ら友達だろ?」
「友達…」
「それ以上でもそれ以下でもないし別によくね?」
それがよくないんですって!
あなたはほんと何もわかってないのね。
さくらちゃんがその事知っちゃったらがっかりするもん。
だめだめ、却下。
って言うか、誘われてなくっても
あたしははなから間宮くんと一緒に行くつもりなかったから。
「とりあえず無理だから」
あたしはそれだけ言って教室を出た。