引越し先のお隣は。


だいたい。友達ってなに?



男子の友達で学校に一緒行くってそれ友達なの?



んー…。



彼氏となら分かるけど、男友達ってね…。



そもそもあたし、男を友達なんか思ってないから。



「佐倉さん??」



…え。



「今帰り?」



「はい…」



ってこの人、同じ靴箱?



やっぱ同級生か。



いや待て。



あたしばかだねー。



今まで関くんに敬語なんか使ってたけど…。



よくよく考えてみればこの学校にはもう、年上の先輩はいないじゃない。



あたし達が1番上なんだから。



「あの佐倉さん、ひとり?」



「あ…うん」



「途中まで一緒帰ろうよ。俺もちょうど1人だったんだ」




「…うん、」




なんとなくおっけいした。



と言うか断れなかった。



しゃーなしな。



「あの、関くんって…」



「ん?」



「お家は?この街?」



「俺は3つ隣の街だよ」



3つ隣…。



あたしの引越し先の街?



まさかぁ。



でもまぁ、そういう事もあるよね。



電車通学してる人なんてたくさんいるし、他にも同じ街に住む人はいるんだろうし。



「佐倉さんは?」



「あたしは、この街です。ここから15分くらい」



となると?



もう少ししたら左曲がらないと駅にはつかないのでは?



あたしは真っ直ぐがお家だし。



「近いんだね。それならお家まで送るよ」



「え、いや…」



それはさすがに申し訳ない…。



「だってもう6時だし。最近6時でも薄暗くなってきてるから…」




「だけど駅の道とは違うし…」



「あぁ、そういう事。それなら大丈夫だよ」



「…」



「送ってくね」




優しい人??



んー、分かんない。



あたしには分かりません。

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