引越し先のお隣は。
「関くんって、何組ですか??」
そういえば、まだなにも知らなかった。
「1組」
1組か。
道理であたし達5組と面識がないのか。
「俺のこと、知りたくなってきちゃった??」
「へっ、」
「何でも聞いていいよ」
そう言って関くんはにこっと笑った。
「じゃあ、」
「ん?」
「どうてあたしと友達になりたいなんか言ったんですか?」
「それは、前から気になってたから」
「気になってたって…」
「何度か見かけた事はあったんだけど、話しかける勇気なくてさ。それで今日偶々屋上に佐倉さんが来る前、舜に佐倉さんどんな人かって聞いてたんだよ」
「…」
「そしたら舜がいきなり俺が話したいことあるって言い出して、今更引けなかったし、でもまあある意味チャンスかなって思って」
「そうでしたか…」
「と言うか敬語なんか使わないでよ。俺達同期だし」
「あ、いやまぁ…」
「でも今日いきなり会って話したもんね。無理もないよ」
「…」
「こっちの道で大丈夫?」
「あ、はい」
じゃなくてうんだ。うん。
「迷惑だったかな」
「え…」
「なんか、舜と話してる時と俺と違いすぎるからさ」
「いえ、そんな事は…」
ないです、たぶん…。
「舜はさ、どうなの?」
「え?」
間宮くん??
「なんやかんや言って仲いいし、好きとか?」
「いやいやいやいや!それはありえませんから!」
間宮くんにはさくらちゃんがいるし!
それに、さくらちゃん達ほど仲良くないし。
ただあたしは、さくらちゃんがいたから
間宮くんともさくらちゃん繋がりで仲良くなったわけだし、
さくらちゃんとお友達になってなかったら、あたしは間宮くんとなんか仲良くなってなかった。
男子は苦手でして。がち。
「ありえないんだ。でも舜、かっこいいと思うでしょ」
「いやぁ…」
学年1だかなんだか知らないけど、あたしにはまっさら興味無いし。
「じゃあ逆に、佐倉さんってどんな人が好きなの?」
「え」
好き、そんな急に言われましてもね…。
「ん???」
関くんはあたしの顔をのぞき込む。
ち、近いから!!
もー、なんなのー…。
さくらちゃんへるぷ〜。
「あたし、そういうのはよく分かんないです。でも、好きな人だったらなんでもありだと思いますよ?」
「そっか、」
「はい!あ、お家つきました。なんか送ってくれてありがとうございました」
「ううん、楽しかったし。話できて」
「…ありがとう…」
あたしはそれだけ言ってお家に入った。
その後しばらく顔が真っ赤だった事、きっと関くんは知らない。