失恋した直後のラインは甘い囁き
髪の毛をドライヤーで乾かしている間にラインが鳴った。


<賢い選択だね。俺は中々のハイスペックだよ>


と着た。私はドライヤーの手を止めた。


<随分自信があるんだね。私は二十歳の学生だよ>


<大学生?>


<看護学校に通ってる>


<へえ、ナースになるんだ>


<何そのエロ親父みたいな言い方>


<エロ親父か。俺はまだ27だよ。病院に勤めてる。偶然だね>


それを読んでまさか医者??と私は驚いた。


<まさか医者なの?>


<そうだよ。ハイスペックだろ?>


<自分で言わないで。自信過剰のやぶ医者みたい>


と返して私は笑った。


<やぶ医者かどうかわからないけど、この仕事は好きだよ>


<何科にいるの?>


<外科だよ。理央ちゃんは何科に実習行ってるの?>


<今は内科だよ。まるで老人ホームみたい>


<確かに内科はそうだね。でも、外科は老若男女だよ。


 あ、突然切れたら緊急だと思って勘弁してね>


と智也の文字。


<ほんとに医者なの?>


<信じるも信じないのも理央ちゃんの自由だよ。


 俺は理央ちゃんの言う事真に受けるけど>


<なにそれ>


と私はまた笑った。



こうして私は智也とラインを交わすようになった。
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