失恋した直後のラインは甘い囁き
リアルで付き合ってわかった事。


智也は救急センターに所属していたから激務をこなしていた。


だから会う時間を作るのもままならなかった。


休みの日でも病院から電話があれば飛んで行く。


夜、抱き合っていてもそうだ。


「ごめん、理央。本当にすまない」


「気にしないで、いってらっしゃい」


と私は理解のある笑顔を浮かべて彼を送り出す。


ポツンと残った彼の部屋。


(なんか・・淋しい・・)



普段中々会える時間が取れないからラインはマメに送ってくれる。


手が空いた時にすぐくれるのだ。


そんな彼の優しさは嬉しいけど、これじゃライン上の恋人だった時と変わらなくない?


と不満が沸いてきてしまう。


その頃には私はバイトを辞めていた。


でないと本当にゆっくり会える時間が取れなくなってしまうから。


金曜日、学校が終わってから私は真っすぐ智也のマンションに来た。


智也は当直。


夜は一人だけど朝目を覚ませば智也の腕の中にいるだろう。


(なんか慶介の時みたい)


と思って私は「違う違う」と声に出した。


智也は本当に忙しい。


これで浮気してたら天才だ、などど思って一人で苦笑した。


そして「は~」とため息が漏れた。
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