好きもどき。
第1話
高校三年生の6月中旬、梅雨にしては珍しく晴れた日だった。
「じゃあこれからこの席でやっていきます。ちゃんと仲良くするんだぞー。」
ざわつく教室で担任の桜先生が言った。
「サク〜~、俺一番前やだ〜!」
お調子者の須藤が言う。
「お前が一番前なのは問題児だからだろ。諦めるんだな〜。」
そう言ってニヤニヤ笑う。
この人は本当に教師なんだろうか。