Bitter Chocolate
24
可南子は要の心の中にずっとヒカリがいることはわかっていた。
でもヒカリには武志がいると思っていた。
一人になったヒカリを要が放っておくハズがない。
可南子の心は更に不安になった。
「可南子!」
可南子を追いかけて要が走ってきた。
「話…聞いてたんだろ?」
「ヒカリのところに戻るの?」
「勝手だとは思うけど…今はヒカリのそばに居たいんだ。」
「ホントに勝手よ。
許さないから…
別れるなんて許されないと思わない?」
要は何も言えなくなった。
確かに可南子には酷いことばかりしてると思っていた。
「ホントに可南子には感謝してる。
でも…俺の気持ちは…まだヒカリにある。
それは可南子もわかってただろ?」
「要はホントに酷い人ね。
いくら私が好きで迫ったとしても
受け入れたのは要じゃない。
そんな勝手なこと普通は出来ないわ。
私は要の何だったの?」
「ごめん。」
「もういいわ。」
可南子は今の要の顔を見るのも辛かった。
「ヒカリのせいよ。
武志の子供まで作っておきながら…」
車を運転しながらヒカリを恨む気持ちが自然と言葉に出てくる。
ふと可南子は自分の事を考えた。
そういえば自分も来るべきものが来てない。
可南子には思い当たることがある。
もし妊娠してるとしたらお腹の子の父親は浮気相手の方だ。
「どうしよう。…そんなはず無いわ。」
でも相手の男の避妊に対する意識は要より全然低かった。
危ないと思われる日に関係を持ったのも事実だ。
可南子は急に焦った。
帰り道に薬局で検査薬を買って
その日のうちに調べてみた。
赤い線が一本だけ浮き上がっていた。
可南子はそれを見てホッと胸を撫で下ろした。
安心したからか次の朝には可南子が妊娠してないことが確実になった。
しかし、可南子はそれで思い付いた。
「あの二人を一緒になんかさせない。」
可南子は要の部屋を訪れた。
「昨日の話なんだけど…私と別れるって話…
悪いけど…無理みたい。」
「可南子でも俺は…」
「私…妊娠したの。
今度は私が要の子を妊娠したみたい。」
要はすぐには可南子の言ってることを飲み込めなかった。
「妊娠?」
「うん。」
要は言葉を失った。
しかし可南子にこれ以上冷たく出来ないと思った。
「わかった…責任はとる。」
「ヒカリのことはどうするの?」
「それどころじゃないだろ…」
そして一週間後、要は可南子の両親に逢うことになった。
「両親には妊娠してること言わないでよ。」
と可南子が言うので
「可南子さんと結婚させてください。」
とだけ、要は言った。
その頃ヒカリは近くの紳士服の店でパートとして働き始めた。
「ヒカリさん、良かったら昼飯一緒に食いませんか?」
「私と?」
「はい。一人じゃ旨くないでしょ?」
一緒に働くヒカリの1つ年下の社員である鷺沼惠佑は何かとヒカリに親切だった。
ヒカリは惠佑と一緒に近所のファミレスに行った。
「ヒカリさんてその若さでバツイチなの?」
「…まぁね。」
「ふぅん。
俺と1つしか変わんないのに何か大人ですね?」
「大人って…バツイチとか自慢にもならない。」
「何で別れちゃったんですか?
旦那さんの浮気とか?」
「…そうじゃないよ。
その逆…私に好きな人が出来ちゃったの。」
「じゃあその人と付き合ってるんですか?」
「ううん。…付き合えなかった。
やだ、私ったら何でこんな話鷺沼さんに…」
「別にいいですよ。俺、誰にも言いませんし…
ヒカリさんのこともっと知りたいですから。」
「え?」
そして要とは違う
また別のヒカリを愛する男がヒカリの前に現れた。
でもヒカリには武志がいると思っていた。
一人になったヒカリを要が放っておくハズがない。
可南子の心は更に不安になった。
「可南子!」
可南子を追いかけて要が走ってきた。
「話…聞いてたんだろ?」
「ヒカリのところに戻るの?」
「勝手だとは思うけど…今はヒカリのそばに居たいんだ。」
「ホントに勝手よ。
許さないから…
別れるなんて許されないと思わない?」
要は何も言えなくなった。
確かに可南子には酷いことばかりしてると思っていた。
「ホントに可南子には感謝してる。
でも…俺の気持ちは…まだヒカリにある。
それは可南子もわかってただろ?」
「要はホントに酷い人ね。
いくら私が好きで迫ったとしても
受け入れたのは要じゃない。
そんな勝手なこと普通は出来ないわ。
私は要の何だったの?」
「ごめん。」
「もういいわ。」
可南子は今の要の顔を見るのも辛かった。
「ヒカリのせいよ。
武志の子供まで作っておきながら…」
車を運転しながらヒカリを恨む気持ちが自然と言葉に出てくる。
ふと可南子は自分の事を考えた。
そういえば自分も来るべきものが来てない。
可南子には思い当たることがある。
もし妊娠してるとしたらお腹の子の父親は浮気相手の方だ。
「どうしよう。…そんなはず無いわ。」
でも相手の男の避妊に対する意識は要より全然低かった。
危ないと思われる日に関係を持ったのも事実だ。
可南子は急に焦った。
帰り道に薬局で検査薬を買って
その日のうちに調べてみた。
赤い線が一本だけ浮き上がっていた。
可南子はそれを見てホッと胸を撫で下ろした。
安心したからか次の朝には可南子が妊娠してないことが確実になった。
しかし、可南子はそれで思い付いた。
「あの二人を一緒になんかさせない。」
可南子は要の部屋を訪れた。
「昨日の話なんだけど…私と別れるって話…
悪いけど…無理みたい。」
「可南子でも俺は…」
「私…妊娠したの。
今度は私が要の子を妊娠したみたい。」
要はすぐには可南子の言ってることを飲み込めなかった。
「妊娠?」
「うん。」
要は言葉を失った。
しかし可南子にこれ以上冷たく出来ないと思った。
「わかった…責任はとる。」
「ヒカリのことはどうするの?」
「それどころじゃないだろ…」
そして一週間後、要は可南子の両親に逢うことになった。
「両親には妊娠してること言わないでよ。」
と可南子が言うので
「可南子さんと結婚させてください。」
とだけ、要は言った。
その頃ヒカリは近くの紳士服の店でパートとして働き始めた。
「ヒカリさん、良かったら昼飯一緒に食いませんか?」
「私と?」
「はい。一人じゃ旨くないでしょ?」
一緒に働くヒカリの1つ年下の社員である鷺沼惠佑は何かとヒカリに親切だった。
ヒカリは惠佑と一緒に近所のファミレスに行った。
「ヒカリさんてその若さでバツイチなの?」
「…まぁね。」
「ふぅん。
俺と1つしか変わんないのに何か大人ですね?」
「大人って…バツイチとか自慢にもならない。」
「何で別れちゃったんですか?
旦那さんの浮気とか?」
「…そうじゃないよ。
その逆…私に好きな人が出来ちゃったの。」
「じゃあその人と付き合ってるんですか?」
「ううん。…付き合えなかった。
やだ、私ったら何でこんな話鷺沼さんに…」
「別にいいですよ。俺、誰にも言いませんし…
ヒカリさんのこともっと知りたいですから。」
「え?」
そして要とは違う
また別のヒカリを愛する男がヒカリの前に現れた。