Bitter Chocolate
29
ライブが終わったあと
ヒカリと麗子は惠佑に誘われて近所の居酒屋に行った。
「どうだった?」
「すごくカッコよかった!」
麗子はヒカリより興奮気味だった。
惠佑がもう一人イケメンを連れてきたからだ。
「あ、コイツギターやってたヒロって言います。」
「私は惠佑くんのお姉ちゃんと同級生だった麗子って言います。」
「それでこっちが俺と一緒に働いてるヒカリさん。」
ヒロはヒカリを見て言った。
「なるほどねぇ。
もろケースケのタイプだな。
ヒロです、よろしく。」
ヒロも昼間は普通の会社員と言っていたが
その赤い髪はとても普通の会社員て感じではない。
「ヒロはゲームとか作ってる会社に行ってるんだ。
社風が自由でいい会社だよな。
この髪でも何にも言われないんだって。」
麗子はますますヒロに惹かれた。
「頭もいいのね。」
「ヒロは大学もすごいとこ出てるんだよ。
俺とは違って優秀だ。」
「みんなすごいね。
昼間は仕事して夜はこんな素敵なバンドやってるなんて。
ね、ヒカリもそう思うでしょ?」
「うん。かっこいい。」
惠佑はさっきからヒカリが元気がないのに気付いていた。
「ヒカリさん、飲んでよ。
明日お休みだろ?」
麗子もヒカリの表情を見て心配になった。
ヒカリはいつもより少しだけ口数が少なくて
いつもよりたくさんお酒を飲んで
帰るとき足元が少しふらついていた。
「じゃあ、麗子さんは俺が送ってく。」
ヒロが麗子の腕を掴んだ。
「あ、いいよ、私がヒカリを送ってくから。」
ヒロは麗子に耳打ちした。
「二人っきりにしてやってよ。」
「でも…」
「ケースケはそんな卑劣なヤツじゃないから。
俺が保証する。」
麗子は惠佑にヒカリを任せた。
「惠佑くん、ヒカリ頼むね。」
「はい、大丈夫です。無事に送り届けますから。」
惠佑はヒカリの肩を抱きタクシーに乗って行った。
麗子とヒロはそれを見送った。
「大丈夫かなぁ。ヒカリ…今日ホントは辛いことがあって…」
「アイツに任せましょう。
さて、俺たちはもう一軒行きますか?」
「うん!」
タクシーの中で少しの間
ヒカリは惠佑の肩にもたれて眠っていた。
惠佑はヒカリの寝顔をじっと見ていた。
「ヒカリさん…早く元気になって。」
そう言ってヒカリにキスしようとしたが
酔って寝てる相手にするのは良心が咎める。
するとヒカリが目を覚ました。
「ん?どこ?麗子は?」
「帰りのタクシーの中です。
麗子さんはヒロと帰りました。」
「そっか。
麗子、絶対にヒロって子に気があるよね?」
ヒカリはまだ半分酔ってると自覚していた。
「ヒカリさん、大丈夫?」
「うん。」
惠佑が心配そうにヒカリの顔を覗きこんでみている。
ヒカリはその惠佑の瞳をじっと見つめた。
お互い見つめ合うとなんとなくヒカリの胸はドキドキしてきた。
「ヒカリさん、俺の女になって。」
いきなり何を言い出すのかとビックリしたけど…
ヒカリは1歩踏み出さなきゃいけないと思っていた。
要は結婚してしまうのだ。
そして武志ももうヒカリの隣には居ない。
要でも武志でも無い男と普通に穏やかに生きてくのもいいと思った。
「惠佑くん、アタシが好き?」
「うん。じゃなきゃこんなこと言えないでしょ?」
「私…バツイチだよ。」
「知ってるよ。そんなの関係ないって。」
惠佑が目を閉じてゆっくりとヒカリに近づいていく。
ヒカリはお酒の力を借りて返事の代わりに瞳を閉じて惠佑のキスを受け入れた。
長いキスのあと惠佑が言った。
「俺、マジだから。」
そう言ってヒカリを抱きしめた。
ヒカリと麗子は惠佑に誘われて近所の居酒屋に行った。
「どうだった?」
「すごくカッコよかった!」
麗子はヒカリより興奮気味だった。
惠佑がもう一人イケメンを連れてきたからだ。
「あ、コイツギターやってたヒロって言います。」
「私は惠佑くんのお姉ちゃんと同級生だった麗子って言います。」
「それでこっちが俺と一緒に働いてるヒカリさん。」
ヒロはヒカリを見て言った。
「なるほどねぇ。
もろケースケのタイプだな。
ヒロです、よろしく。」
ヒロも昼間は普通の会社員と言っていたが
その赤い髪はとても普通の会社員て感じではない。
「ヒロはゲームとか作ってる会社に行ってるんだ。
社風が自由でいい会社だよな。
この髪でも何にも言われないんだって。」
麗子はますますヒロに惹かれた。
「頭もいいのね。」
「ヒロは大学もすごいとこ出てるんだよ。
俺とは違って優秀だ。」
「みんなすごいね。
昼間は仕事して夜はこんな素敵なバンドやってるなんて。
ね、ヒカリもそう思うでしょ?」
「うん。かっこいい。」
惠佑はさっきからヒカリが元気がないのに気付いていた。
「ヒカリさん、飲んでよ。
明日お休みだろ?」
麗子もヒカリの表情を見て心配になった。
ヒカリはいつもより少しだけ口数が少なくて
いつもよりたくさんお酒を飲んで
帰るとき足元が少しふらついていた。
「じゃあ、麗子さんは俺が送ってく。」
ヒロが麗子の腕を掴んだ。
「あ、いいよ、私がヒカリを送ってくから。」
ヒロは麗子に耳打ちした。
「二人っきりにしてやってよ。」
「でも…」
「ケースケはそんな卑劣なヤツじゃないから。
俺が保証する。」
麗子は惠佑にヒカリを任せた。
「惠佑くん、ヒカリ頼むね。」
「はい、大丈夫です。無事に送り届けますから。」
惠佑はヒカリの肩を抱きタクシーに乗って行った。
麗子とヒロはそれを見送った。
「大丈夫かなぁ。ヒカリ…今日ホントは辛いことがあって…」
「アイツに任せましょう。
さて、俺たちはもう一軒行きますか?」
「うん!」
タクシーの中で少しの間
ヒカリは惠佑の肩にもたれて眠っていた。
惠佑はヒカリの寝顔をじっと見ていた。
「ヒカリさん…早く元気になって。」
そう言ってヒカリにキスしようとしたが
酔って寝てる相手にするのは良心が咎める。
するとヒカリが目を覚ました。
「ん?どこ?麗子は?」
「帰りのタクシーの中です。
麗子さんはヒロと帰りました。」
「そっか。
麗子、絶対にヒロって子に気があるよね?」
ヒカリはまだ半分酔ってると自覚していた。
「ヒカリさん、大丈夫?」
「うん。」
惠佑が心配そうにヒカリの顔を覗きこんでみている。
ヒカリはその惠佑の瞳をじっと見つめた。
お互い見つめ合うとなんとなくヒカリの胸はドキドキしてきた。
「ヒカリさん、俺の女になって。」
いきなり何を言い出すのかとビックリしたけど…
ヒカリは1歩踏み出さなきゃいけないと思っていた。
要は結婚してしまうのだ。
そして武志ももうヒカリの隣には居ない。
要でも武志でも無い男と普通に穏やかに生きてくのもいいと思った。
「惠佑くん、アタシが好き?」
「うん。じゃなきゃこんなこと言えないでしょ?」
「私…バツイチだよ。」
「知ってるよ。そんなの関係ないって。」
惠佑が目を閉じてゆっくりとヒカリに近づいていく。
ヒカリはお酒の力を借りて返事の代わりに瞳を閉じて惠佑のキスを受け入れた。
長いキスのあと惠佑が言った。
「俺、マジだから。」
そう言ってヒカリを抱きしめた。