Bitter Chocolate
3
武志とヒカリの友達が次々にやって来て
BBQは始まった。

少し遅れて要がやって来た。

お土産にチョコレートを持ってきてヒカリに渡した。

「お邪魔します。」

ヒカリの友達は要を見て目を奪われた。

「ヒカリ、あの人誰?

すごくカッコいい~‼

ね、紹介してよ。」

中でも可南子は積極的だった。

ヒカリは武志に

「チョコレート屋さんの先輩に可南子を紹介してあげて。」

と頼んだ。

要は可南子を紹介されて隣に座り仲良く話している。

ヒカリはその姿を見ていい気分がしなかった。

ーアタシにあんなことしたくせに…ー

ヒカリは自分がバカな事をしたと後悔した。

「ヒカリ、もっと野菜切ってきて。」

武志に頼まれてヒカリがキッチンに行くと
要がやって来た。

「手伝うよ。」

「大丈夫です。」

「何か怒ってる?」

要はヒカリがヤキモチを妬いてると気付いた。

「可南子ちゃん、可愛いね。
いいコ紹介してくれてありがとう。」

だからもっとヤキモチを妬かせることを言った。

…嫌なヤツ…

ヒカリは要を睨んだ。

元々、出会っていきなり手を出すような男だ。

ヒカリは要とのことを忘れようと思った。


そしてヒカリにとって針のムシロのようなBBQもそろそろ終わりに近づいた。


ヒカリは友達の麗子からこの前借りた本を返そうと
2階の寝室に取りに行くと
いきなり要が部屋に入ってきた。

「何しに来たの?ここ寝室だよ?入らないで。」

「俺のことずっと気にしてただろ?」

要はヒカリを壁に押し付けてキスしてきた。

ヒカリは抵抗して要から離れた。

「こんなとこで止めて。
見つかったらどうするの?」

「俺は別に困らないよ。
ヒカリが悪いんだろ?
バラされたくなかったら言うこと聞けよ。」

再び要はヒカリに無理矢理キスすると
ヒカリの胸に手を入れてきた。

「ヒカリー!麗子ちゃん帰るって。」

武志の呼ぶ声がして
ヒカリは要を突き放し玄関へ向かった。

「どこに居たんだよ?」

「麗子に借りてた本取りに行ってた。
麗子ありがとね。」

次々に友人が帰る中、
要は可南子と一緒に帰っていった。

要はどういうつもりなのだろうか?

要に触れられた身体が熱かった。


ヒカリは困惑するばかりで
感情を上手くコントロール出来なかった。

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