Bitter Chocolate
42
ヒカリは昼は小さな雑貨屋で
夜は居酒屋でバイトをしながら暮らしていた。
帰るのは夜中の1時過ぎで
朝は9時には家を出る。
掛け持ちで仕事するのは大変だったけど
身体を動かしてると要のことを少しは忘れられた。
「ヒカリちゃん、送っていくよ。」
居酒屋で働く利秀は何かとヒカリを気にかけてくれるが
ヒカリは少し警戒していた。
「いえ、一人で帰れますから。」
「遠慮しないでいいから。」
「あの…ホントに今日は兄が近くまで来てるので…」
「え?お兄さんが?また?」
「はい、明日またこの近くで仕事があるので泊まりに来るんです。」
ヒカリが兄が来ると言ったのはこれで2回目だった。
利秀は何かにつけ断ってくるヒカリが面白くなかった。
「わかった。じゃあ、気を付けて。」
ヒカリは無事に家に着いたが
家に着いた瞬間電話がかかってきた。
「ヒカリちゃん?無事に着いたみたいだね。
お兄さんはどうしたの?」
ヒカリは怖くなって電話を切った。
するとインターフォンが鳴って、外から
「ヒカリちゃん、開けてよ。」
と利秀の声がした。
ヒカリは部屋で震えていた。
結局暫くすると利秀は諦めて帰っていった。
ヒカリは次の日、居酒屋のバイトを辞めた。
部屋も早めに引っ越さないとまた利秀が来るかもしれない。
怖くて2、3日は部屋に帰れずスパに泊まったり
安いホテルに泊まったりした。
夜の仕事は暫くする気にならなかったが
思いもかけぬ引っ越しでお金が要る。
正直夜の方が時給がいい。
ヒカリは次の仕事を探した。
思いきってクラブで働いてみようかと悩んでいた。
このくらいの時給なら毎日働かなくてもいい。
体験で1日仕事をしてみたら思ったより危ない世界では無いような気がした。
結局週に3回だけ働くことにした。
ヒカリは慣れない仕事を一生懸命学んで
指名をとれるようになった。
ところがヒカリの店に思わぬ客がやって来た。
男はヒカリを見てすぐに気づいた。
「あの子…席に呼んでくれない?」
ヒカリが呼ばれて席に着くとお客の顔を見て驚いた。
「へぇ、サクラちゃんて言うのか…」
「た、武志?」
「何だよ、武志…知り合いか?
こんな美人と知り合いなのかよー。
紹介しろよ。」
武志は先輩と思われる男と来ていた。
「要先輩って…覚えてますか?」
「おう、要かぁ…チョコレート屋になったヤツな。
昔からセンスが違うって言うか…カッコつけたヤツだよな?」
「要先輩の彼女ですよ。」
「えぇ?そうなのー?んじゃ要も呼ぼうぜ。
アイツ彼女をこんなとこで働かせてんのか?
ひどいヤツだなー。」
「そうですね。要先輩呼びましょうよ。」
ヒカリは何も言えず、ただ座っていた。
まさか要を本当に呼ぶと思ってなかった。
しかし、武志はヒカリの見てない場所で要に本当に連絡した。
「ヒカリは何でこんなとこで働いてるんです?」
「そこはどこだ?」
「アンタも知らないのか…
見てみなよ。
ヒカリがアンタに会ってどれだけ苦労してるか…」
1時間後要が店に来るとヒカリがちょうど武志と要と同級だった晃彦に挟まれてお酒を作っていた。
晃彦はヒカリの膝に手を置いて素知らぬ顔をして脚を触っていた。
それに笑顔で応えているヒカリを見て愕然とした。
夜は居酒屋でバイトをしながら暮らしていた。
帰るのは夜中の1時過ぎで
朝は9時には家を出る。
掛け持ちで仕事するのは大変だったけど
身体を動かしてると要のことを少しは忘れられた。
「ヒカリちゃん、送っていくよ。」
居酒屋で働く利秀は何かとヒカリを気にかけてくれるが
ヒカリは少し警戒していた。
「いえ、一人で帰れますから。」
「遠慮しないでいいから。」
「あの…ホントに今日は兄が近くまで来てるので…」
「え?お兄さんが?また?」
「はい、明日またこの近くで仕事があるので泊まりに来るんです。」
ヒカリが兄が来ると言ったのはこれで2回目だった。
利秀は何かにつけ断ってくるヒカリが面白くなかった。
「わかった。じゃあ、気を付けて。」
ヒカリは無事に家に着いたが
家に着いた瞬間電話がかかってきた。
「ヒカリちゃん?無事に着いたみたいだね。
お兄さんはどうしたの?」
ヒカリは怖くなって電話を切った。
するとインターフォンが鳴って、外から
「ヒカリちゃん、開けてよ。」
と利秀の声がした。
ヒカリは部屋で震えていた。
結局暫くすると利秀は諦めて帰っていった。
ヒカリは次の日、居酒屋のバイトを辞めた。
部屋も早めに引っ越さないとまた利秀が来るかもしれない。
怖くて2、3日は部屋に帰れずスパに泊まったり
安いホテルに泊まったりした。
夜の仕事は暫くする気にならなかったが
思いもかけぬ引っ越しでお金が要る。
正直夜の方が時給がいい。
ヒカリは次の仕事を探した。
思いきってクラブで働いてみようかと悩んでいた。
このくらいの時給なら毎日働かなくてもいい。
体験で1日仕事をしてみたら思ったより危ない世界では無いような気がした。
結局週に3回だけ働くことにした。
ヒカリは慣れない仕事を一生懸命学んで
指名をとれるようになった。
ところがヒカリの店に思わぬ客がやって来た。
男はヒカリを見てすぐに気づいた。
「あの子…席に呼んでくれない?」
ヒカリが呼ばれて席に着くとお客の顔を見て驚いた。
「へぇ、サクラちゃんて言うのか…」
「た、武志?」
「何だよ、武志…知り合いか?
こんな美人と知り合いなのかよー。
紹介しろよ。」
武志は先輩と思われる男と来ていた。
「要先輩って…覚えてますか?」
「おう、要かぁ…チョコレート屋になったヤツな。
昔からセンスが違うって言うか…カッコつけたヤツだよな?」
「要先輩の彼女ですよ。」
「えぇ?そうなのー?んじゃ要も呼ぼうぜ。
アイツ彼女をこんなとこで働かせてんのか?
ひどいヤツだなー。」
「そうですね。要先輩呼びましょうよ。」
ヒカリは何も言えず、ただ座っていた。
まさか要を本当に呼ぶと思ってなかった。
しかし、武志はヒカリの見てない場所で要に本当に連絡した。
「ヒカリは何でこんなとこで働いてるんです?」
「そこはどこだ?」
「アンタも知らないのか…
見てみなよ。
ヒカリがアンタに会ってどれだけ苦労してるか…」
1時間後要が店に来るとヒカリがちょうど武志と要と同級だった晃彦に挟まれてお酒を作っていた。
晃彦はヒカリの膝に手を置いて素知らぬ顔をして脚を触っていた。
それに笑顔で応えているヒカリを見て愕然とした。