セールス婚 〜負け組仮確定の私が勝ち組に成り上がるまで〜
私は、秋加にありのままのことを話した。髪型やメイクの効果は抜群とも言えるほどに好評だったこと。早川くんに好意を寄せられていること。それから、難波に彼女が出来てしまったことに複雑な心境でいること。秋加が話してくれたように、私もすべて、包み隠さずに話した。
「明菜ちゃんって、やっぱり意外とバカなのね」
「えっ」
「答え、出てると思うけどな」
「答え……?」
ポテトフライをぽいっと軽く口の中に放り込む秋加。私は、そんな秋加の言っていることがいまいちよく分からなかった。
秋加の言うそれは、何の答えなのか、その答えとは何なのか。
私には、それがまるで分からなかった。
「ヒントはここまでの会話で散々出したんだから、自分で答えくらいは出しなさい」
「えっ?」
「本当、バカでイライラしちゃう」
次に秋加は枝豆を口に放った。そして、ビールを追加注文すると、辛かった出来事を無理矢理かき消すかのように飲み続けていた。