セールス婚 〜負け組仮確定の私が勝ち組に成り上がるまで〜

 私は、秋加にありのままのことを話した。髪型やメイクの効果は抜群とも言えるほどに好評だったこと。早川くんに好意を寄せられていること。それから、難波に彼女が出来てしまったことに複雑な心境でいること。秋加が話してくれたように、私もすべて、包み隠さずに話した。

「明菜ちゃんって、やっぱり意外とバカなのね」

「えっ」

「答え、出てると思うけどな」

「答え……?」

 ポテトフライをぽいっと軽く口の中に放り込む秋加。私は、そんな秋加の言っていることがいまいちよく分からなかった。

 秋加の言うそれは、何の答えなのか、その答えとは何なのか。

 私には、それがまるで分からなかった。


「ヒントはここまでの会話で散々出したんだから、自分で答えくらいは出しなさい」

「えっ?」

「本当、バカでイライラしちゃう」

 次に秋加は枝豆を口に放った。そして、ビールを追加注文すると、辛かった出来事を無理矢理かき消すかのように飲み続けていた。



< 67 / 89 >

この作品をシェア

pagetop