セールス婚 〜負け組仮確定の私が勝ち組に成り上がるまで〜
結婚に焦って、空回って、何度も傷ついて、立ち直ってを繰り返してきた。
その度に隣にいてくれて、どんな時も私の事を一番に考えてくれた人。
人に弱さを見せられない。意外と不器用だった私の不器用さを知ってくれていて、私の弱いところもダメなところも全部知ってくれていた人。
本当は、いつも、どんな時も一番近くにいてくれた。
そして、いつも、そこには知らず知らずの間におかれていた愛があったこと。
私は、一番大切なものに、今日、やっと気づくことができた。
「明菜」
「な……なに」
「絶対に、後悔させへんから。俺を選んでくれたこと」
「……うん。絶対、せえへん。せえへんに決まってるやろ、ばか」
二人、顔を見合わせて笑い合う。
それは、いつもと同じように。
でも、いつも以上の笑顔で────。
*おわり*