太陽と虹(未定)


桐水海晴。

俺の幼馴染である。

海晴はいつもテンション高くて、少し女みたいな性格。

そんな奴に着いて来れた俺は本当に凄いと思う。

でも、根はしっかりしてて、意外に頼りになる。

いつもヘラヘラで良く分かんなくて、こんな奴だけど唯一俺兄貴みたいな存在なんだ。



「つか、お前」

「なーにー、光陽君」


シャーペンをくるくる回しながら、女口調で答えた。

…あー、ぶん殴りたい。


「前から言ってるけど、そーいう態度俺には見せんな」


俺は真剣な顔で言った。

すると、海晴は俺が知ってる“普通”の海晴になった。


「光陽は、俺のこーゆう態度嫌いか?」

「大っ嫌い」


思いを込めて言ってみた。


「いちいち自分を被ったりするのがよく分かんねぇ…。いいじゃん、そのままで」

「ハハッ…俺もそう思う」


笑いながらそう言った海晴の目は、なんだか悲しそうだった。

コイツは何を抱えてるんだろう。

何を隠してるんだろう。

昔から一緒に居て、何もかも知ってるはずだったのに、今じゃ何も分からない。

海晴の口からも何も聞いたことがない。

これが親友って言うのかな?

これが幼馴染って言うのかな?



なぁ、俺ってそういう存在だったのか?



「お前、言えよ」


唇を噛み締めながら言った。

悔しかった。

何も役に立てない自分が惨めだと思った。


< 14 / 32 >

この作品をシェア

pagetop