太陽と虹(未定)


「あっ、あのさ…」

「俺、大竹って“名前”じゃない」

「え?」


大竹って名前じゃないって、大竹光陽でしょーが。

なに、ムスっとした顔してんだよ。


「大竹は名字だ」


…そういうことか。

名前で呼んでほしいのね。


「…」


て、言っても…簡単に下の名前は呼べないよっ。

光陽は鼻歌を歌いながらペンを回してる。


「…ひ、ひかる?」


あたしは思い切って言ってみた。

うひゃ~、きっと顔赤い!

呼んだくせについつい目線をずらしてしまう。


「やっと呼んだ!」


その声を聞いて、顔を上げた。

光陽を見ると、パァとした笑顔をしていた。

何でそんなに嬉しいって顔なんですか?

まるで、幼稚園児…。

ほんとコイツ分からない。


でも、その笑顔を見ると…

こっちまで嬉しくなっちゃう。




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