太陽と虹(未定)
「虹架ちゃん、失礼~」
突然、青空が雑誌を取った。
「ちょっと聞いててほしーのよ」
「え、何をっ」
「いーから、聞いてて」
あたしは取りあえず、青空の声に耳を傾けた。
「ここまで来れた事は、とても凄い事だと思います。横橋虹架が率いるあのチームと戦えたことが本当に嬉しいです。悔いなんてありません。
俺達は精一杯やりましたから。でも、最後はショックでしたね。あの場面で横橋が冷静にバッターボックスに立って、軽々ホームランを打ったのは相当きました。
俺、思うんですよ。横橋は、ほんっとに凄い奴だなって。プロの野球選手よりも、メジャーで活躍してる選手よりも、あの『横橋虹架』に憧れます」
―横橋虹架に憧れます
「これが小6のコメントだと思わないよね」
「てか、うちの話多いし…」
「メジャー行ってる人よりも虹架だってね」
からかうように青空が言った。
思わず何かニヤけてしまう。
こんなに言われたのは初めてだ。