太陽と虹(未定)

「おまえ…やっぱすげぇな……」



突然後ろから、聞いた事のない声が聞こえた。


え、誰っ?


ゆっくり後ろを振り向くと、どこかで見たことのあるよーな顔だった。


「女のくせにこんなん投げれんの、きっとおまえだけだよ…」


そいつはゆっくり近づいてきた。


えっと…名前なんだっけ……。

この前、転入してきた…何とかヒカル。

あ゛ー、下の名前しか分からないっ。


たぶん、ヒカルという名前の奴は、あたしの手の中にあったボールを取った。


「ヒカル君……だっけ?」


あたしはその行動を目で追いながら尋ねてみた。


「…あえての下の名前ですか?」


すると、そう言ってそいつは笑った。

何でか分かんないけど笑ってる。

そんな態度に首を傾げてると、「じゃあ、自己紹介するよ」とそいつは言った。


「大竹光陽。横橋と同じサウスポー」


ニカッと白い歯を見せながらそう言った。


あー…大竹かぁ…。

て、えぇ?


「っ何で名前知ってんの?」

「え、知ってちゃいけない?」

「いや…そーいうわけじゃなくて…」


クラスの中では影が薄い方が多いあたしの名前をなぜ知ってる…。

せいぜい濃くなってんのは、部活のときだけなのに。


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