3月20日



『卒業生、入場ーー』


ついにこの時が来てしまった。


まだ式は始まっていないのに、
既に目が真っ赤になってい私。


隣では、小学校の時から1度も違うクラスに
なったことがない男友達、翔(カケル)が、
男泣きをしている。


「翔、早いって」


「ぐっ…うっ…ぐすん…お前も…っなっ」


「もー男だろ?」


「うおおおおおおーーー!!!」


雄叫び?を上げながら泣き続ける翔。


小学校の卒業式もこんな感じだったな、と
ふと思い出す。


しばらくすると、私達の入場の番が来た。


私と翔はさすがに9年の付き合いとあって、
息ぴったりでスタートした。


まだ泣かない、泣かないよ ーー


そう、決めていたのに、


私の涙腺を壊したのは、この翔だった。


「ーー…櫻」


「何、今緊張して入場してるとこなんだけど」


「ーー…今まで9年間、ありがとな」


「ーー…っ」


何で泣かせるのよーーーーー!!!



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