飛行機雲







ずっと、翼の声に助けられてきた。


お母さんと喧嘩して、家出したときも

友達と喧嘩して、泣いてこの公園に来た時も


『爽菊ーーー?』って、


のーてんきな笑顔で近寄ってきて、







でも、いつも、あったかい笑顔で

慰めてくれた。




翼が大好きで…



もう、終わるべき恋なのかもしれないけど、









でも…まだ、大好きだから…












自然と、涙があふれた。



あふれた涙は、私のスカートに落ち、滲んだ。




翼への想いも、一緒に落ちちゃえば



どんなに…楽なんだろう…




翼のこと…好きじゃなきゃ、

良かったのに…







もう、何百回、そう思っただろう…


でも、そう思うといつも

翼の声が、聞こえてきた。








翼の声に、





救われた。







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