飛行機雲
「…この学校に来る前王丘高校っていう、地元ではわりと頭の良い学校にいたの。」
私は、少しずつ話し出した。
泣きそうになるけど、修が手を握ってくれた。
「…バスケがすごく有名な学校で、
私は頭も全然よくなかったけど、その学校に行きたい理由があってね、
…翼っていう、幼馴染が小学生の頃から好きだったんだ
バスケが、すっごく上手くて
馬鹿だけど頼りになって、
不器用だけど、私が悲しい時は、
なぜかいつもそばにいてくれて
優しくて…大好きだった。
だから、翼を追っかけて、同じ高校に入って
席も斜め前になって、すっごく楽しかった。
友達関係でいろいろあったときも
私のそばにきて、抱きしめてくれた。
辛いときは寄りかかっていいって
言ってくれた。
それで、大切な友達もできた。
私だけじゃなくて、
私のまわりも、変えてくれた。
だけど、いろいろすれ違って
一回付き合えないって言われちゃったの。
悲しくて悲しくて、どうしようもなかった。
でも、あきらめられなかった。」
私は涙を溢してた。
自分で気づかないうちに泣いてて
修が、服の袖で拭いてくれた。