飛行機雲
「…爽菊ー?…」
翼の声が、耳もとで
聞こえたような気がした。
私を呼ぶ、大好きな翼の声。
…翼の声…?
顔をあげると、
目の前に翼がいた。
え…なんで…翼…?
「…翼……?」
いつも、一番にかけつけてくれる
翼がいた。
私、来てくれることを、
期待してたのかもしれない。
ううん…
信じてたのかもしれない。
「え?!泣いてんのっ?………大丈夫?」
慌てた様子で、私に駆け寄ってきた翼。
本気で心配してくれてる表情。