飛行機雲











『…手紙?……

………愛の机の中にいれたの?いつ?』





神谷からは、そう返ってきた。







「……爽菊…あの手紙気づいてないの?」





『今愛の机は使われてなくて、多分空き教室の中にあるけど…気づいてないと思う。

…大切なこと、書いてあるの?』







俺は、このとき悟ったんだ。






俺はもう、爽菊には会えない。





と。











「………ん、なんでもない。

…爽菊、元気?」




『…今週の日曜日会う約束したよ。』



「…そっか。俺な、月曜日一週間だけそっちに戻るんだ」




ずっと前からお願いし続けて、

やっと、一人でも帰っていいって


父さんに許可をもらった。






もちろん、残してきた友達と



…爽菊にあうために。




















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