飛行機雲
わかんない。私には。
なんで、そんなにいつも笑ってられるのかが。
私にはわかんないよ。
意地悪そうだけど…本当に
優しい表情で。
全然、変わってなくて…
笑顔を見るだけで
何回でも、好きが積もっていく。
そんな笑顔。
「うん。ありがとう。」
上手く、笑って言えたかな…
一番、伝えたかったこと。
―――ありがとう
って、大好きな人に。
「どういたしまして!じゃ、帰ろう。寒くなるし。送る!」
そう言って、ブランコから降りた翼は、
優しく微笑んだ。
「えっ?!いや、いいよ!もーうちすごく近いもん!ありがとう!」
「そう?じゃあ、気をつけてな?」
何回か振り返りながら歩いていく翼の背中が
見えなくなるまで見送った。
その間、やっぱり何度も『大好き』だと思ってしまった。