飛行機雲
第2章:別れ
1.友達
「巫女ーーーー!おはよ!」
「愛!おはよう♪」
私達はあの日から
すっかり元通りになった。
…ていうか、2年生になって、
前より仲良くなった。
クラス替えがないからずっと一緒だし、
何でも打ち解けて話せるようになったし、
お互い名前も呼び捨てになった。
それから翼も私達に参加して、
クラス何人かで固まるようになった。
「あー…すっごい暑いねぇ…」
巫女がパタパタと手で扇ぎながら言った。
「ねぇ~…まだ初夏なのにね~」
そう、まだ7月上旬。
…全く実感がわかないのは、
私だけかな?
「…入学してから、あっという間だ…」
巫女も、私が思っていたことをポロっと言った。
入学式に見た、飛行機雲と
良く似た飛行機雲が空に浮かんでいた。
…私が翼を好きになった時も、
今と同じ空に、今と似た飛行機雲が浮かんでたなぁ…
飛行機雲は、さりげなく
私の背中を押してくれる。
お気に入りの、景色だった。