飛行機雲
「…愛?…確認してもいい?」
巫女がいきなり静かになり、
窓の外を見たまま言った。
「ん?」
「…愛はまだ、神崎が好きなんだよね?」
突然の質問。
さすがにちょっと戸惑う。
でも
「うん。好きだよ」
はっきりとそう言える。
これが、気持ちと素直に向き合った結果。
素直に、純粋に、本当に、大好き。
全く濁りのない、
真っ白な、真っ直ぐな想い。
「…そっか…!良かったっ」
私の答えを聞いた巫女の表情が一気にゆるむ。
「私は、そうやって正直で真っ直ぐな愛が大好き」
巫女は、にこっと満面の笑みで微笑む。
だから私も、満面の笑みで返す。
…巫女は知ってる…?
私、巫女のおかげで、
今、こんなに純粋に、翼を好きって
言えるんだよ…?
私は、巫女のことも心から大好き。
また、今度私が壁にぶつかったら
巫女はきっと、支えてくれるから。
また甘えようと思うよ。
巫女には、素直に、自分の気持ちで。