飛行機雲
第3章:想い出
1.残った想い
翼が引っ越して、
もう一週間。
私は、まだ部屋から出れずにいた。
見送りには行けなかった。
学校だって休んだ。
まぶたが腫れすぎて、
もう涙もでなくなっていた。
幸せになれるのは、
翼と両想いになった時だ、と
ずっと、ずっと思ってた。
でも、今両想いのはずなのに
全然…幸せじゃない。
翼が一緒に、
傍で笑ってくれないと
何にも、全く、
全然、幸せなんかじゃない。
翼が傍にいてくれなくちゃ、
「 好き 」だって
意味がない。