そして目覚めの口づけを
そして目覚めの口づけを
夢があまりにも幸せ過ぎて、目が覚めた時、思わずじんわりと涙を浮かべてしまった朝も、実は過去にはあったりした。
だけど今は…。
お父さんお母さんに別れを告げて、夢の世界から現実世界へと帰還した私は、布団から飛び起き、リビングダイニングキッチンへと直行した。
「あ、おはよう」
そしてキッチンカウンター内で朝食の準備をしつつ挨拶を繰り出してくれる貴志さんのその姿に、心底ホッとする。
「?どうした?」
ダイニングの微妙な位置に立ち、無言のまま貴志さんを凝視している私に向けて、彼は微かに首を傾げながら問いかけて来た。
毎度お馴染み、起きぬけの彼のデフォルトである、とても気だるげで無愛想な表情と声音で。
「いいえ、何でもないです。おはようございます」
だけどそれさえも何だか嬉しくて、思わず笑みをこぼしながら返答した後、私は身支度を整えるべく洗面所へと向かった。
やっぱり、そうなんだよな…。
歩を進めながらしみじみと思う。
もう、絶対に間違いない。
私は貴志さんの事が…。
という所で目的地にたどり着いてしまったので、ひとまず感慨に耽るのはやめて、やるべき事に取りかかった。
今日は心弾む土曜日。
年度末である3月も半ばを過ぎ、なんやかんやとバタバタしていて連日残業続きだったので、このお休みはホント待ち遠しかった。
だけど今は…。
お父さんお母さんに別れを告げて、夢の世界から現実世界へと帰還した私は、布団から飛び起き、リビングダイニングキッチンへと直行した。
「あ、おはよう」
そしてキッチンカウンター内で朝食の準備をしつつ挨拶を繰り出してくれる貴志さんのその姿に、心底ホッとする。
「?どうした?」
ダイニングの微妙な位置に立ち、無言のまま貴志さんを凝視している私に向けて、彼は微かに首を傾げながら問いかけて来た。
毎度お馴染み、起きぬけの彼のデフォルトである、とても気だるげで無愛想な表情と声音で。
「いいえ、何でもないです。おはようございます」
だけどそれさえも何だか嬉しくて、思わず笑みをこぼしながら返答した後、私は身支度を整えるべく洗面所へと向かった。
やっぱり、そうなんだよな…。
歩を進めながらしみじみと思う。
もう、絶対に間違いない。
私は貴志さんの事が…。
という所で目的地にたどり着いてしまったので、ひとまず感慨に耽るのはやめて、やるべき事に取りかかった。
今日は心弾む土曜日。
年度末である3月も半ばを過ぎ、なんやかんやとバタバタしていて連日残業続きだったので、このお休みはホント待ち遠しかった。