ハッピーエンドなんていらない
学校につく、靴を履き替える。いつもと変わらないのがまた寂しい。
「そういえば、今日もみんな部活だよね」
そう尋ねると、みんながみんなコクリと頷いた。
「じゃあ、いつも通り図書室で待ってるから」
それだけ言うと、みんな頷いてから話をそらされる。
部活をやっていないのはわたしだけだ。
紫苑はバスケ部、湊はサッカー部、雪は剣道部である。
「じゃあ、今日も帰りに図書室集合で!」
教室につく頃、湊の言葉でそれぞれの席に散る。
といっても、雪とは隣だけど。
さっさと準備をしてから本を取り出して読み始める。
「ほんと、彩芽って本が好きだよな」
へらっと笑いながらそう言う雪に、えへへと笑ってみる。
…可愛くないな、わたし。